岸くん短篇 (ページ29)

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おやすみ、また明日ページ29

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お風呂からあがってきた優太がずっとそわそわしてる。

「優太？」

『………なに？』

あからさまに挙動不審。

「なんか変だよ？」

『別におかしくねーよ？』

………優太だしね。

「じゃ、私入ってくるね」

優太は寝相が悪くて、私は睡眠が浅くて深夜に目が覚めちゃう。
だからいっしょに暮らす時にベッドを分けようねって話をして、寝室は同じでベッドが別。

と言ってもシングルを二つ並べてるだけなんだけど。

上がってくる頃にはいつも優太はベッドの中で夢の中なのに、珍しく今日は起きていて。

「どうしたの、珍しいね？」

『あーなんとなくな』

うーん。なんか隠してんのかなぁ。

「じゃ、私寝るよ？優太は？」

『うん。俺も寝るんだけど……あのさ』

立ち上がった優太が私の目の前に立つ。

『………今日いっしょに寝ていっすか？』

え？それ言うために起きてたの？

『なんか今日すっげぇAのこと抱きしめたくて。でも全然出来なくてさー。だから寝る時抱きしめてぇなーって。ダメ？』

「………うん。いいよ」

『よっしゃー！なら早く寝よーぜ』

優太に抱えられて、優太のベッドに横になる。

『枕自分のがいい？』

「うん」

隣に腕を伸ばして枕を置いてくれる。

『腕枕………は嫌いだもんな』

シングルに二人で寝てるから距離はほぼ0

『近ぇから照れる』

「優太が言ったんだよ？」

『そうだけどさ、照れんじゃん？改めっとさ』

目を伏せて笑うから、おでこにそっとキスをする。

『お、まっ！不意打ちよくねぇぞ』

「ほら、もう寝るよ。おやすみ」

私が目を閉じると

『おやすみ』

小さく声が聞こえて優太の唇がほっぺたに触れた。

おやすみ、また明日ね、