岸くん短篇 (ページ26)

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彼と私と恋と 2 ページ26

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「この時期の風好きだな。寒くもなく暑くもなく」

『夜風気持ちーもんな』

手を繋いでブラブラしながら駅に向かういつもの帰り道。
優太の手は指が長いから、手を繋ぐと包まれてる感じがしてすごく好き。

『でもそろそろ梅雨だろ』

「湿気………」

『またAの髪の毛が爆発すんのか笑』

「もう！笑い事じゃないのに！」

『わりわり笑』

明日には忘れちゃいそうな話を話しながらたどり着いた徒歩10分の最寄り駅。

『じゃ、また。電車気をつけろよ』

「優太もね」

『あっちの駅着いたら一応連絡』

「はいはい」

なにげに心配性な優太は、私が最寄り駅に着く時に連絡を求めてくる。

改札をすぎて後ろを振り返ると
優しい顔をした優太が

『またなー』

と大きい声を出して小さく手を振るから、お返しにぶんぶんと手を振ってホームに降りる階段を降りる。

多分私が階段を降りて姿が見えなくなるまでそこに立ってるんだ。

１回降りるフリして戻ったら、変わらない位置で立ってたことがあるから。

電車に乗って空いてた椅子に座って

「電車乗ったよ」

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『気をつけてな』

優しい優太が大好きだなっていつも思ってしまう。

ウトウトしながらたどり着いた私の最寄り駅。

「最寄り着いたよ」

画面には着信

もちろん相手は

「優太、ここから5分だよ？」

『いいんだって。夜は色々あぶねぇしな』

そう言って徒歩5分の帰り道も優太といっしょ。