岸くん短篇 (ページ20)

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The day ページ20

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あれから何回も抱きあって

二人でお互いを確かめあって

汗を流すための風呂でも止まらなくて

気づくともう朝。

窓の外が明るいのは分かるけど

全然目が開かなくて

ベッドで微睡んでいると

「ゆうた」

隣で寝てるAの声が聞こえる。

「んふふ、優太の手大きい」

手を重ねてきゅっと指を絡める感触

「ねぇ、起きて」

髪の毛をふわふわと撫でる感触

そっと目を開けると

「おはよ」

まだ起ききってない無防備なAがいて

『おはよ』

たまらずキス

「なに、昨日から」

『久々なんだからしょうがねぇじゃん？』

「まぁね」

『こっち来て』

胸の中に閉じ込めて

ぎゅっと抱きしめた。

『今日仕事？』

「ん。いつもよりは帰り早いけど」

『待ってていい？』

「うん」

『夜飯作っとく？』

「いいの？主役なのに」

『んー、どうせここにいるだけだから

何使ってもいい？』

「うん。ケーキ買ってくるね」

目の前にある髪の毛を

一束掴んで鼻に寄せる

『おんなじの使ったのに匂い違う』

「優太も違う匂いする」

『不思議だよな』

「……うん」

眠そうな声。

『ここ何時に出んの？』

「………8時」

『今6:30だけど』

「30分寝れる」

腕枕にして

さっきよりもっと抱き寄せる。

「………おやすみ」

『おやすみ』

また目が覚めてもAが

目の前にいる幸せを噛みしめた