◇ ページ45
話をしようと思っていたのに。ちゃんと、元に戻れるように。
でも、もう無理だ。グチャグチャに絡まった糸はもう元に戻せない。
ポタリと伝う雫に、二宮は気付いているだろうか。
耳元で浅く笑う二宮の声がした。
「…相葉くんのため？」
「……、っ、？」
「相葉くんのためにそうやってさ、髪も切って化粧も服装も変えてんの？」
「……ちが、」
ふわりと二宮の手が私の新しくなった髪に触れた。栗色の緩く巻かれた髪に、不機嫌そうに、でも大切そうに触れる。
その指に、期待して、勘違いしそうになる。
「俺はお前が分かんない」
「…ど、ゆこと」
「何なの、マジで。相葉くんの為じゃないなら何の為にそんなカッコしてんの」
意味分かんねぇ、と二宮が頭を掻いた。
期待してもいいの、と都合良く捉えようとしている私がいる。
それでも、そんな訳ないでしょういい加減にしなよ、と怒る私もいる。
もう、言ってもいいのかな。
二宮は私が分からないなんて言うけれど、私だって二宮が何考えているか分からないんだから。
「ーーー…」
「…は？」
「…二宮の、ため、って言ったら笑う？」
少しだけ顔を上げた二宮を引き寄せる。
手繰り寄せて、感じる体温。
「むかつくって、私の台詞だよ。…何でキスするの、好きでもないのに」
「……、」
「美羽ちゃんが好きなんでしょ、…知ってる、私」
「……、」
「でも、もういいよ。…言いたかっただけ、なの。ごめんね、」
好きで、という台詞を言う前に、強く強く抱き締められる。
壊れちゃうよ、なんて言えなかった。
ねぇ、二宮。今、何を考えているの。
私、馬鹿だから都合の良い解釈がしたくてしたくて、堪らないの。
怖くて怖くて仕方ないのに、温度を感じているだけで、嬉しくてどうしようもない。
「…ズルいのはお前だから」
また、同じ台詞を繰り返して言う。
「ずっと…、ここ最近ずっと、お前のことばっか考えてたんだって」
ねぇ、そういう意味だと思っていい？と口を開く前に、また込められた力。
耳元で、責任取れよ、と甘く、甘く低い声が響いた。
「ーーー…とりあえず、キスさせろよ」
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かお(プロフ) - 沙瑛さん» はじめまして。ありがとうございます！んー、というか分からないように書いているみたいなところは少なからずあるので。また立ち上げの際はお越しくださいね。 (2015年12月4日 13時) (
レス) id: 677b661829 (このIDを非表示/違反報告)
沙瑛(プロフ) - はじめまして！完結おめでとうございます！全然ニノミヤの思ってることが分からない…ｗですが、今までの作品で一番泣きました！ｗ続編期待しております！！ (2015年12月4日 2時) (レス) id: 7d2f79366d (このIDを非表示/違反報告)
かお(プロフ) - みうさん» ありがとーう！予定を上回った振り回し具合になった(笑)私すぐ感覚なくしちゃうから多分本当にすぐ戻ってくると思う！(笑)愛、しっかり受け取りました！(笑) (2015年12月2日 22時) (レス) id: 137dbdb07b (このIDを非表示/違反報告)
かお(プロフ) - みるくるさん» お越し頂きありがとうございます！泣かないで！(笑)わーん、嬉しいです。答え合わせなのでね、赤ペンお持ちになって待っててください。笑 (2015年12月2日 22時) (レス) id: 137dbdb07b (このIDを非表示/違反報告)
みう(プロフ) - 完結おめでとう！うん、続編待ってる。笑 ニノミヤを振り回せたから、満足だけど、やっぱニノミヤsideは欲しい！いつでもいいよ！待ってるぜ！･･･素敵なお話をありがとう！かおちゃんに、私からの愛を贈ります☆(返品は不可だよん) (2015年12月2日 3時) (レス) id: 575ad155ba (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かお
| 作成日時：2015年11月18日 20時
