◇ ページ19
特に恋愛関係のことなんて、ニノ分かりにくいじゃん、とさらに付け足す。その言葉に、そうかもしれない、と頷く美羽ちゃんと雅紀くん。だろ？と少しばかり得意げな櫻井さん。
彼は、テーブルに置いた缶を再び手に取って、私を見つめた。
キリリ、と強そうな瞳の中に、悪戯っ子みたいな、なんだかちょっと意地悪そうな色味。
試されてるのかな、なんて聞けもしなければ、多分答えも出ないような疑問。
「徹底的？」
「そ。雅紀と水瀬さん何回か付き合ってるか誤解されてんでしょ？」
「違うのにねー！そう見えんのかな！」
「俺も信じてたし」
だから、と一呼吸おいて、櫻井さんは再び言葉を紡ぐ。
口角の上がったその笑みに、正直嫌な予感ばかりが募る。
「それを逆手に取るんだよ」
ゾクリとするような声だった。ピン、と自然と伸びる背筋。
「雅紀と水瀬さんが付き合いだした…ってのを装うの」
「ワオ」
雅紀くんが外国人みたいなリアクションを取る。その顔はどうしてか、やけに楽しそうだ。なんなら、ここ最近の雅紀くんが見せた表情の中で一番キラキラしている。
「どういう、…意味ですか」
「そのまんまだよ。水瀬さんは雅紀と付き合うの」
「雅紀…、くんと」
やる？と櫻井さんは、私に問いかけた。その微笑みは相変わらずの、悪魔の微笑み。ワルイよ、本当に。
ひとつ、思い出す。
チャンスは待つものじゃなくて、作るものだという自分の言葉を。
確かに、怖いと思う。何が？とは聞かれても答えられない言いようのない恐怖。
ヤキモチなんかじゃない、と思う。だって、二宮には彼女がいる。
知りたくなくて。
それでも、それ以上に知りたいと思った。
ねぇ、二宮。
行くなよ、と二宮は言ったけれど。次、私が雅紀くんと付き合っている、と言えば、二宮は何て言うんだろう。何を思うんだろう。
とらえられたままの櫻井さんの視線に、自分の視線をしっかりと絡ませ、小さくでもしっかりと首を縦に振った。
「…アト、付けよっか？」
そして、櫻井さんは、満足そうに再び悪く微笑むのだった。
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かお(プロフ) - 沙瑛さん» はじめまして。ありがとうございます！んー、というか分からないように書いているみたいなところは少なからずあるので。また立ち上げの際はお越しくださいね。 (2015年12月4日 13時) (
レス) id: 677b661829 (このIDを非表示/違反報告)
沙瑛(プロフ) - はじめまして！完結おめでとうございます！全然ニノミヤの思ってることが分からない…ｗですが、今までの作品で一番泣きました！ｗ続編期待しております！！ (2015年12月4日 2時) (レス) id: 7d2f79366d (このIDを非表示/違反報告)
かお(プロフ) - みうさん» ありがとーう！予定を上回った振り回し具合になった(笑)私すぐ感覚なくしちゃうから多分本当にすぐ戻ってくると思う！(笑)愛、しっかり受け取りました！(笑) (2015年12月2日 22時) (レス) id: 137dbdb07b (このIDを非表示/違反報告)
かお(プロフ) - みるくるさん» お越し頂きありがとうございます！泣かないで！(笑)わーん、嬉しいです。答え合わせなのでね、赤ペンお持ちになって待っててください。笑 (2015年12月2日 22時) (レス) id: 137dbdb07b (このIDを非表示/違反報告)
みう(プロフ) - 完結おめでとう！うん、続編待ってる。笑 ニノミヤを振り回せたから、満足だけど、やっぱニノミヤsideは欲しい！いつでもいいよ！待ってるぜ！･･･素敵なお話をありがとう！かおちゃんに、私からの愛を贈ります☆(返品は不可だよん) (2015年12月2日 3時) (レス) id: 575ad155ba (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かお
| 作成日時：2015年11月18日 20時
