・十四話 ページ16
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伊「お前やっぱり卑怯な」
三「だから言ってんだろ、卑怯だろうがなんだろうが勝てばいいんだよ」
たしかにその意見は賛成だが度合いがえげつない。猛といい勝負だ。
そのまま金髪くんは向かってくるお兄さん方を次々と倒し始める。強い。
ここは手伝った方がいいだろうと体制を整えたその時、ナイフを持ったお兄さんが彼に飛びかかろうとしていた。
『おい金髪後ろ!!』
しかし心配するまでもなく長ランがお兄さんを突き飛ばし、それを金髪がボコボコにして二人は背中合わせになる。
何だあれかっこいい…私もあれ智司か猛としたーい…
とか思いつつ残っているお兄さん方を全員片付け終えると二人は「来るなら言え」だの「遅れてくる方がモテる」だの騒ぎ始めた。
「京子さん!大丈夫ですか?!」
京子…?ロッカーに駆け寄る女の子たちを見ると青蘭の制服を着ている。
青蘭の京子ってまさか…
『早川さん?!』
助け出された彼女はたしかに早川さんだったが、私の叫びも金髪もスルーしてカッコよかったと彼女が向かったのは長ランくん。
そっかぁ…ロッカーの前から動かなかったのって早川さん守ってたんだ…いや早川さん入ってるって知ってたら私だってもっと早く助けに行ったのになぁ…
としょぼくれていると怒り狂った金髪くんが暴れだしその辺の机に置いてあった白い粉を撒き散らした。
待て、もしかしてそれはとてもまずいんじゃないか?
『いや、ちょっとそれはやめた方が』
「おい、そんなことしていいのか…ずっと追われることになるぜ」
三「逃げ足は誰よりもはえーんだよ、それよりお前もタダじゃ済まねぇだろ?」
やっぱりアウトなやつだった…!
しかももう遅い…これは私もひとくくりで共犯にされてしまう。
すかさずお兄さんに近寄って話しかける。
こういう時はとりあえず偽名を教えておくのがいい、私がよく使っている手だ。
『私の名前は加藤です』
それに倣って彼らも偽名を名乗りはじめた。
三「僕の名前は石橋です」
伊「…吉村です」
よく見ると二人とも知らない顔だ、噂の転校生かもしれない。
後でちゃんと名前を聞こう。
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作者名:紅井 | 作成日時:2018年12月19日 1時