・十話 ページ11
翌朝 片桐智司視点
片「………はぁ…」
…眠い。ここ最近よく眠れていない。
こんなボンクラ高校でも一応遅刻や欠席は記録に残るし何かあった時頭の俺がいないと困るだろうという理由でなるべく毎朝遅刻しないようにしているのだが、それも下のやつらに気を遣わせるだけのような気がしてきた。
遅刻という言葉は銀髪の相棒と朝に弱い幼なじみを思い出させる。
相良は相変わらず今日も遅刻らしい。あいつは…学校が離れたから詳しくは知らないがまだ遅刻癖は直っていないんだろうか?
授業に出席さえしていれば許されるという甘ったれた考えのやつだから、女と約束でもしていない限り無理だろう。
『女の子待たせちゃダメでしょ?その子が家出る前にちゃんと迎えに行かなきゃ』
とへらへらしながら言うのが容易に思い浮かぶ。
しかし惚れた弱みか、そんなところも含めて俺はAが好きだ。…女との約束があれば早起きできるというのは気に食わないが。
あいつが何人ものDV男に懲りた後始めた複数人との恋人紛いな関係だって本当は納得していない。
が、あいつの寂しいという相談に恋人を作れと提案したのは俺で、その結果大失敗してしまったのだから俺にとやかく言う権利は無い。
相談された時ビビって想いを伝えることができなかった上、今その恋人紛いな関係に溺れて満足している俺の責任だ。
次に続きます
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作者名:紅井 | 作成日時:2018年12月19日 1時