悪夢の再来8(バ/カップリング無兄妹愛) ページ29
『そらっ』
『うわぁ!?ちょ、下ろしてー!』
お兄ちゃんの手が僕の脇腹に添えられたと思ったら、そのまま持ち上げられた
お兄ちゃんの腕力だけで。僕の体が浮いてるし、腕の長さも違うもんだから手が届かない
『まだまだ詰めが甘いな?』
『くっそーー』
『まだ、身長も体重も変わらんか』
『僕は困ってないよ?』
『背が伸びないのは困るだろ?』
『あ!それは困る!!クレアお姉ちゃんに追いつきたい!!』
『ま、焦らずな』
お兄ちゃんの目がなんだか悲しそうだ
お医者さんが言っていた
心の傷が心身の成長を阻害してるのだと
僕はもうそろそろ19歳になるけど、心の傷が癒えない限り、心も体も15歳のままなんだ、と
そんな漫画みたいな話、あるわけないなんて思ってたけど…
実際何も変わってないし、子供っぽいと周りに言われてるからあながち間違いではないみたい
でも僕は笑えてる
それにお兄ちゃんは好きだし、かけがえのない家族だ
僕の成長が再開するのはきっと、僕が夢を見なくなってから
お兄ちゃんが側にいるなら、夢も怖くない
早く大きくなって、大人になって
お兄ちゃんを助けたい
って思ってるんだけど僕はいったいいつまで宙ぶらりんなんだ?
そう思って見ると思い出したようにおろしてくれた
そしてお兄ちゃんの上に戻ると、抱きしめてくれる
『愛してる、シオン』
『ん…僕も愛してる、お兄ちゃん』
最近言えるようになった言葉
これからもずっと、言い続けたい
言える時に、言えるだけ
伝えたいんだ
僕のありがとうの気持ちを
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作者名:えんか | 作成日時:2019年7月2日 10時