７.清水さんは五月病 ページ7
「だああああああ！...もう、どうにかしなきゃ…」
あれから約二週間が経過したが、まだ一度も焦凍と話せてない。
たまに冬美姉さんからは『...おーいAちゃん生きてるー？焦凍寂しがってるよー！』という電話を貰うので焦凍と話をするチャンスはたくさんあるし、スーパーに寄ったついでに焦凍ん家のインターホンを鳴らそうと試みるのだが、どれもあの事件のことを思い出してしまって上手くいかない。
ああ、冬美姉さんの手料理が恋しい。コンビニ飯にはもう飽きた。
明日こそ、明日こそ必ず!!と意気込んで、先延ばしにしていたらあっという間に雄英高校入学式の当日になってしまって。なんてダメな私。
「...ったくどっからか学校に隕石が降ってきて、入学式取りやめにならないかなぁ。...はあ」
幾分エクスキューズを含んだ愚痴はガタンゴトンと揺れる早朝の車内によく響いた。
焦凍と話さなくてはいけないという使命感と、また猫かぶり生活が始まるという憂鬱が入り混じったやるせないため息がこぼれる。
ふと電車の扉の窓を見てみると、外の景色は次々と後方に流れていく。建設中にビルの屋上に設置された巨大なクレーン、連なる集合住宅、空に浮かぶ航跡雲も全てが同じ速度で消えていくもんだから、改めてやっぱり都会だなあと実感させられる。
・
・
「...テメェも雄英生徒なのかよ…」
いきなり隣から響いたテノールの声に思わず二度見する。
びっくりした。一瞬だけ焦凍かと思ったが、隣にいたのは目つきがこれでもかというくらいに悪いツンツンヘアーの少年だった。
「...ぅ...ええ。そうですわ。」
いけない、いけない。いつもの焦凍とのノリで思わずタメ口で応えようとしちゃったよ。
とっさに営業用の愛想笑いを顔に貼り付け、落ち着いた口調でおしとやかに喋る。
「...ッチ。そうかよ...。」
意味もなく舌打ちをして、フイっと興味がなさそうに明後日の方向を向いた彼はあらかさまに不機嫌そうで。オーラだけでも伝わってきそう。
･･･ーカチンッ
「(...自分から聞いておいて何よその態度は!?こちとらお前と話す体力も気力もないっつーの!!ツンツンヘアー爆発しろ!!)」
そんな彼の素っ気ない態度に多少、というか大部ムカついたのでつり革を強く握りしめたら手すり部分が軋む音がした。んなバカな。私はゴリラか何かですか。
続く (更新停止中)
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まっちゃ - すごく面白いです！更新待っています！ (2021年10月14日 18時) (
レス) @page7 id: bd6a8b3525 (このIDを非表示/違反報告)
ゆづ林檎(プロフ) - おでんくんww懐かしいです。めっちゃ好みです。更新楽しみにしてます！ (2017年5月21日 23時) (レス) id: 3678db9a92 (このIDを非表示/違反報告)
令(プロフ) - 裏表の激しい夢主ちゃん大好きです！！更新応援してます！ (2017年5月21日 15時) (レス) id: c551b2f6cb (このIDを非表示/違反報告)
血鶴(エトしゃん)(プロフ) - 轟くんありがとうございます(( (2017年5月21日 15時) (レス) id: 36e0cde85c (このIDを非表示/違反報告)
みれい(プロフ) - 面白いです！更新頑張ってください！ (2017年5月21日 14時) (レス) id: 5aed204f87 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：正義のヒーロー赤マフラーZ | 作成日時：2017年5月21日 12時
