１１.コミュ障チキンの憂鬱 ページ12
「...ふあぁ、よく寝た。」
午後の光がいくらか薄れ、辺りに夕暮れの気配が混じり始めた頃、Aは大きく口を開けながらむくりと体を起こしました。
「なんで寝てたんだ私って、これ、デジャブじゃね？」
朝、昨日の記憶がないまま目覚めた時の出来事を思い出します。似通った状況だと思いますが、きっと気のせいです。はい。
そのまま、ぼーっと沈む夕日を眺めていましたが、見たいテレビがあったのを思い出したのでこーしちゃいられないと跳ねるような勢いで立ち上がりました。
そして地上へ続く階段の手すりに座って、昨日ロードショーで地上放映されていた某雪の女王のワンシーンのように滑り出しました。良い子、または自分で運動神経の悪さを自覚している方は絶対に真似しないでください。後ほど顔面から転ぶ、主人公のように痛い目に合いますよ。
しばらくして雄英のゲートをくぐったAは、穏やかな向かい風に身を預けるような足取りで通学路をとぼとぼと一人寂しく歩いていました。
いつも通りの帰り道。いつも通りぼっちな彼女はクラスメイトに話しかける勇気も自信もありませんからね。チキってやがる。
すると、目の前に見える知り合いの背中。
緑色のモサモサ頭からしてきっと、
「...おーい!!緑谷くーん」
隣人の緑谷出久くんでしょう。
「...っわ！び、びっくりしたって...ひ、日向さン!?」
「いかにもその通り。緑谷くんも帰り？」
彼とは入学始めにモブ＆ぼっち同盟を組んだ中で、Aが唯一自ら進んで話しかけることのできる希少な人間です。なにやら最近は、幼馴染の爆破頭くんに振り回されっぱなしですが。
「うん。というか髪切ってイメチェンしたんだね…別人かと思ったよ。」
「あー、これは…昨日爆豪くんといざこざがあった時の...反動で...」
「いつもかっちゃんがごめん。きっと僕が日向さんに話しかけるせいで...」
気まずそうに頬を掻きながら謝る緑谷に、このめったにないチャンスを逃すまいと主人公は必死に話題を探します。
「そんなことないよ！緑谷くんは私の大事な友達だからね。あ、そうだ！おいしいお菓子もらったからウチに上がっていきなよ。」
そうでしたそうでした。先日、近所の優しいおばあさん、加藤さんからもらったゴマプリンと地元でそこそこ有名な老店舗の煎餅があったことをすっかり忘れてました。
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純 - 視力検査の時の気持ちがめちゃわかる………次の人居るのに分かりませんとしか言えないやつぅ………(大きいやつは見える)共感できるわぁ… 更新、頑張ってください！ (2018年11月27日 18時) (
レス) id: 8c64a29224 (このIDを非表示/違反報告)
バイオレットムーン - 日向翔陽…。 (2018年1月20日 19時) (レス) id: 655aa0a522 (このIDを非表示/違反報告)
ももか - 面白いです！ナレーションに笑ったww更新頑張ってください！ (2017年5月16日 14時) (レス) id: 7312e066ce (このIDを非表示/違反報告)
鑑にいな(プロフ) - 緑谷くん可愛い。愛を感じるな！ (2017年5月14日 18時) (レス) id: 9bea628e80 (このIDを非表示/違反報告)
すばる(プロフ) - 面白いです！丸メガネいいですよね笑 私メガネ大好きなんです！！人を怒らせる才能で笑いましたw これからも頑張ってください！！ (2017年5月13日 16時) (レス) id: d8ed81e829 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：正義のヒーロー赤マフラーZ | 作成日時：2017年5月8日 19時
