六拾弐:答エハ心ノ中ニ ページ20
─主人公side─
ん?
目があった??
てっ!!!?
「………??あれ?」
「ん?どうしたんだい?お嬢さん。」
「気持ち悪いとか言わないんですか?」
「いや、風は冷たいけど気持ち悪いとは思わないなぁ。まぁもう少し暖かいと天体観測もしやすいんだけど…」
「風じゃありませんっ!!わたしの目、見ましたよね?というか見えてますよね?紅いんですよ?!気持ち悪いとか思わないんですか?!」
「いや?紅い目なんてまるで中二病のようでかっこいいじゃないか。」
「は?ちゅう…?なんですかそれ。」
「あ、中二病は通じないんだった。まぁとにかくかっこいいよ。」
「はあ…?」
よく分からないけどそんな事言われたの初めて…
不思議な人だ。
もしかして、物の怪だったりして。
…そんなわけないか。
「さて、それはどうかな?」
「へ?」
その人は意味ありげな微笑みを浮かべていた。
……
「なるほど、それで君はお世話になっていた家を出て此処に居るわけだね。」
わたしは気が付けば全てをこの人に話していた。
不思議とこの人には話せた。
どこか不思議な雰囲気がそうさせたのかもしれない。
「それで?君はどうしたいんだい?」
「え?」
「君はその人達と居たいの?」
「……分かりません。」
「分からないわけないさ。答えは君の中にもうあるはずだよ。」
「?…わたしの中に?」
「僕が一つ助言するとしたら君はもっと人を信じるべきだよ。お世話になった人、友人、愛する人。」
「……愛する人??」
「そう。そうだね…君が一番今逢いたい人、一番半妖だって知られたくなかった人がそうなんじゃないかな。」
わたしが一番今逢いたい人、半妖だって知られたくなかった人…
「あくまでも僕の意見だけどね。」
飄々とそう付け足す。
「あのっ…ありがとうございます。聞いて下さった上に助言まで…」
「どういたしまして。お役に立てたのなら何よりだよ。じゃあ、僕はもう行くね。」
そう言ってその人は闇夜の中に消えていった。
──
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さく - とても素敵で素晴らしい話だと思います。小説書くのお上手ですね。 (2019年10月7日 9時) (レス) id: b8170bd752 (このIDを非表示/違反報告)
さく - とても素敵で素晴らしい話だと思います。小説書くのお上手ですね。 (2019年10月7日 9時) (レス) id: b8170bd752 (このIDを非表示/違反報告)
リンゴ(プロフ) - 春草さんが可愛すぎて....もうやばいです。小説上手いですね! (2019年6月5日 17時) (レス) id: 92d1256844 (このIDを非表示/違反報告)
里緒(プロフ) - 春草さん!とっっても素敵でした!桔梗の花言葉のところとか...大好きです!こんなに素敵な物語、ありがとうございました!! (2015年10月1日 22時) (レス) id: b89a9213f8 (このIDを非表示/違反報告)
シアン - 物語がすごいおもしろいです!!読んでいたら二日ですべて読み終わりました。 (2015年8月7日 22時) (レス) id: 60fbd9e7f1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:月陰†芽々 | 作成日時:2015年5月5日 11時