《トドメの接吻》 愛は誰にでも

危険 ページ19

尊氏「美尊っ」



「美尊ちゃん！」



後ろから二人の声が聞こえたけど無我夢中で走った。







久々の力仕事に体は疲れてしまったみたいで、帰って来た途端ベッドに横になった。



美尊ちゃんから夕食に誘われたけど断った。



少し休んで喉が渇いて来たので水を飲みに行こうと部屋を出た。



すると途中で美尊ちゃんを見つけたので声を掛けると、どうやら尊氏と長谷部さんがいて二人の会話が気になるので隠れているらしい。



だけど二人でその会話を聞いていると尊氏がいきなり長谷部さんを壁に押し付けて腕で長谷部さんの首を圧迫する。



美尊ちゃんが止めに入って二人は離れたけど、美尊ちゃんは差し出された尊氏の手を振り払ってどこかに行ってしまう。



すぐに追い掛けようとしたけど後ろから腕を掴まれた。



尊氏「A・・・？どうしてここにいるんだよ」



さっきの現場を見てしまった私は、尊氏に恐怖心を抱いてしまった。



「離して・・・」



尊氏「Aは僕のこと拒絶しないよな・・・」



「え・・・？」



尊氏「お願いだから・・・僕から離れないでくれよ」



私の腕から手を離してそう呟く尊氏。



「でも、さすがにやり過ぎだよ」



私はそう言い捨てて未だに息を整える長谷部さんに駆け寄った。



尊氏はそんな私を見て、美尊ちゃんが走って行った方向に向かった。



「大丈夫ですか長谷部さん？」



長谷部「はい・・・それより、よかったんですか。あんなこと言っても」



「分かんない。今の尊氏は危険だよ。何をするか分からない」



長谷部「そうですね・・・」

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