《DIABOLIK LOVERS》 偽りの姿

優しい言葉 ページ19

ミアSide



「二人共止めて！ここ病院だよ？」



私が制止に入るとレイ君はハッとして顔をこちらに向けた。



レイジ「つい取り乱してしまいました。すみません、姉さん」



「ううん、こっちこそ。私が二人にそんなに言い合ってもらえるほどの存在だとは思ってなかった」



レイジ「何を言いますか。姉さんは私達坂巻家にとって、なくてはならない存在なのですよ。あの人だって姉さんがいなくなってから、らしくもなく冷静さを保てない状態だったんですから」



「あの人って、カールさん？」



シュウ「姉さんが戻って来れたのはアイツのおかげとも言うべきだろう」



「カールさんが私を助けてくれたの？」



シュウ「詳しい情報は知らないが、大方そうだと思う」



シー君の父親に当たるカールハインツさん。



魔界の王で強大な力を持っている人物だ。



私も小さい時は魔界で生活していたからカールさんとも面識があった。



元々両親がカールさんと顔見知りで、坂巻家に二人が遊びに行くのに付いて行ったのが始まりだった。



その時のカールさんは初めて会ったにも関わらず優しく接してくれ、私の容姿を気に留める事もなかった。



驚かないのかと聞いたら、「私は人を見た目では判断したくない。見るなら容姿ではなくその人自身を見たい。それに私はその瞳の色は綺麗だと思うぞ」と返して来た。



私を産んだ母親と血の繋がった父親でさえも嫌う私の目を、彼は“綺麗だ”と言ってくれたのだ。



カールさんに紹介された六人の少年。



それがシー君達だった。

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