FEARS 目覚めた彼ら

踏み出す危険な一歩 ページ39

「あの・・・」




私は意を決して立ち上がった。




怯えてるだけじゃ何も変わらない。




殺されるのを待つだけなんて嫌だ。




だったらせめて、自分の下した決断で生きていたい。




「私があなた達に殺されるとして、あとどれくらいの時間がありますか」




力也「俺達に殺されることに抵抗はないのか？」




「もちろん、私は大人しく殺される気など毛頭ありません」




健太「フッ・・・へぇ？」









「あなた達の計画は人間に復讐を果たすこと。だったら、私はそれを止めます」









海青「何言ってんのお前」




その場の空気が重くのしかかる。




でもここで怯んでたらせっかく絞り出した勇気が無駄になる。




「さっき、計画が済むまでは殺すなって言ってました。私が止めたらその計画は終わらない。




だから私も殺されない」




もちろん、ハイリスクな賭けなのは理解してる。




私が邪魔に入ることで怒りを買って問答無用で殺される可能性だって十分にある。




でも私にできることはもうそれ以外にはないと思うから。




陸「よく知りもしない壱馬の言葉を信じるわけ？今すぐにだってお前なんか殺せるよ」




「それは分かってます。本気で殺しに来られたら、私なんて手も足も出ない。




でもここに数日いて、実際に私を殺そうとした人はあなたと、そこの人だけです」




私はそう言って“陸”とナイフの男を指した。




慎「・・・何が言いたいのさ」




「何かの理由があって人間を憎んでいるのに、私を今この瞬間まで生かしているということは、




少なくとも私は存在だけではあなた達から怒りを買わない」




壱馬「ハッ、確かにな。だが俺達の邪魔をするとなれば話は別だ」




私は一言発する度に命が左右されているかのような緊張感を感じている。




一度でも間違った返答をすれば即殺される。




どれだけの猶予が残っているのかも分からない、一世一代の賭け。




文字通り、命懸けだ。









「・・・・・・私が、人間を好きにさせる」









「「・・・・・・は？」」

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