FEARS 目覚めた彼ら

夢と現実 ページ34

母「A。自分の人生は、人に委ねてはダメよ。




あなたは意志が弱いから押しにも弱いし、誰かに決断してもらうことが多い。




順応性が高いとも言えるけど、それだけではいけないの。




人に何かを決められてばかりいたら、いつか自分を見失ってしまうわ」









父「今は俺達がいるから、間違えたら引き戻してやれるが・・・




いつまでもそばにいられるわけじゃないんだ。




いつか俺達がいなくなった時、自分の人生を他人に任せていたら不幸になるぞ。




自分の身は自分で守れるようになれ」









お母さん・・・




お父さん・・・




これも夢なんだよね。




覚えてるよ、二人の言葉。




だからこそ私は、自分の命は自分で絶つと決めた。




でもやっぱりお母さんの言う通り、意志が弱いね。




今は北人さんのしてくれることをただ受け入れてる。




逃げようとしてない自分がいる。




私の自 殺を止めた北人さんには恩がある。




助けてもらったからといって、私がそれで何かを得たわけではないけど。




ねぇ、お母さん、お父さん。




私はどうすることが正解なのかな。









北人「・・・ごめん」




慎「謝るぐらいなら最初から睡眠薬なんて作らなきゃいいのに」




生意気な口を叩く慎を北人が睨み付ける。




北人「睡眠薬じゃない。風邪薬の配合を少し変えただけ」




慎「そうですか。少しの割には随分と効果は強いようで」




樹が薬を飲ませた直後から眠り始めたAは、丸一日目を覚まさない。




北人「・・・巻き込みたくないんだよ。俺達の復讐を彼女が間近で見てる必要はない」




そう呟く北人は、眠るAの頭をそっと撫でた。

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