FEARS 目覚めた彼ら

初めての感覚 ページ29

北人「俺に嘘は通用しないよ。辛いんでしょ」




「・・・」




咄嗟に言い訳は出てこなかった。




それこそが肯定の意味を示してしまった。




北人「いっちゃん、それ貸して」




北人さんはそう言って“樹”が持っていた水を受け取った。




北人「A、口開けて」




「えっ？」




北人「ほら」




少し低くなった声に大人しく口を開くと錠剤が２粒入れられた。




北人「まだ閉じないでね」




そう言って北人さんは私の口に水を流し込んだ。




薬を飲み込めるぐらいの量が入り、私は口を閉じた。




口の端から少し水が溢れたのを感じながらゴクッと飲み込む。




北人「うん、ちゃんと飲んだね。よかった」




北人さんが私の頭を優しく撫でてくれる。




力加減が気持ちよくてつい目を閉じると首筋に何かが触れた。




「んっ？えっ北人さん！」




北人「だって濡れてたから」




さっき口から溢れた水が首まで流れていたのを、北人さんが舐めたのだ。




感じたことのない感覚に顔がより熱くなる。




「やっ止めてください！」




北人「まだ濡れてるって」




ツーッと首から顎、口元へと舌が上がってくる。




「んっ！？」




唇を舐められた。




至近距離で私を見つめる彼の視線から逃げられない。




極度の緊張状態で身体が固まってしまったのだ。




北人「・・・熱、下がるといいね」




妖艶な笑みを浮かべ、北人さんは部屋を出て行った。




「・・・ッハァ・・・！」




無意識に止めていた息を吐き出した。




“樹”はいつの間にかいなくなっていた。




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リクエスト回いかがだったでしょうか？


ストレスから熱を出した夢主がそれを隠し、バレて薬を飲まされる。


・・・というお話でした。


メンバーの指定はなかったので今の夢主に一番近い立場の北人さんにやってもらったのですが・・・


何とか本編に繋げてみたのですが大丈夫ですか？


気に入っていただけたら嬉しいです！



リクエストしてくださった“まなか”さん、ありがとうございました！


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