209時間 ページ37
昔を思い出していた。
大きなショッピングモールを襲った悲劇。
そこに居合わせてしまった不運。
あの時の敵の顔。
言った言葉、匂い、悲鳴。
全て鮮明に、昨日の事のように思い出せる。
薄暗くて、冷たくて、瓦礫しかなくて
怖かったな。
あの時、私のことを助けてくれたあの人は
どんな思いで立ち上がったのだろう。
私の前に立って笑うあの人の震える手も足も私は全部知っている。
『…よし。手当は完了。おぶって此処から出ます。背中に掴まれそうですか？』
女｢はい、あの…重いです、よ？｣
小柄な私を心配してか、女の人は眉を下げそう私に告げた。
『えへへ、大丈夫です！鍛えてますから！さ、乗ってください。早く出て娘さんに会いに行きましょう』
テーピングテープで手当を済ませてから、女の人をおぶり、落ちないように首元に回された腕に包帯を巻き固定した。
『っしょ！よし。では、今から外に出ます。しっかり掴まっていてください！』
女｢はいっ、｣
外に出たら避難場にこの人を預けて八百万さんたちと合流しよう。
軽く両手を合わせいつもの様に言葉を放つ。
『転送！』
トンッと地面に降り立つ音がした。
ビルから少し離れた平らな場所にうまく転送でき、ほっと息をつく。
『よし。このまま』
BOOOOM!!!!!!
『っ？！何っ？！』
突然響き渡る爆発音。
音がした方向を見ると灰色の煙が上がっていた。
『あの方向って…！避難場！』
いや、テロ現場なのに静かすぎるとは思った。
設定では、仮免許を取得した生徒が被災現場に居合わせたというものだったはずなのに、
敵が1人も居なくて、"ただの"救助活動だった。
これなら、経験が多少浅くても連携が取れれば余程のことがない限り減点対象にはならない。
『ここで、来るか…！』
"敵があらわれ追撃を開始。現場のヒーロー候補生は敵を制圧しつつ救助を続行してください"
『とにかく急がなきゃ…！』
ただでさえ救助から時間が経って落ち着いてきていた避難場。
個性の偏りだってあるはずだし、守りも手薄なはず。
そんな所一気に攻められたら一溜りもない。
『すみません、ちょっと急ぎます。しっかり掴まっててください！』
女｢は、はい！｣
『頼む、間に合って…！』
私はそう祈るように手を合わせ最短ルートで避難場へ向かった。
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晶(プロフ) - 満月さん» そうなんです！紛らわしい書き方をしてしまい申し訳ないです…(;_;)ありがとうございます！！！ご期待に応えられるよう頑張ります！！ (2018年8月22日 23時) (
レス) id: 409e9a8e08 (このIDを非表示/違反報告)
満月 - 晶さん» 成る程…特に深い意味は無いのですね！そんな空気じゃ無いのに恋愛？？？となってしまって…お答え、ありがとうございます！ってか、マジで文才下さい！じゃなくて、更新頑張って下さい！応援してます！ (2018年8月21日 11時) (レス) id: d83bdf162b (このIDを非表示/違反報告)
晶(プロフ) - 満月さん» コメントありがとうございます。オチは今のところ決めておりません。恋愛ものとして書いているわけではありませんのでご了承ください。爆豪くんを設定していることに深い意図や意味はありません。すみません... (2018年8月20日 21時) (レス) id: 55a43d38b6 (このIDを非表示/違反報告)
満月 - とっても面白かったです！設定キーワードに爆豪勝己とありましたが、落ちは爆豪勝己くん何ですか？ (2018年8月20日 18時) (レス) id: d83bdf162b (このIDを非表示/違反報告)
晶(プロフ) - 八百万優衣♪さん» ありがとうございます...！！嬉しさのあまり舞います...！！ありがとうございます！ (2018年8月20日 2時) (レス) id: 55a43d38b6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：晶（あき） | 作成日時：2018年8月9日 5時
