76時間 ページ37
歪む視界
息が苦しくて、もがくけど掴むのは水で
あぁ、私死ぬのか。
って、あっさりそんな考えが浮かんだ。
刹那、周りの水が綺麗になくなって、視界がクリアになった。
足は地面に着地するも、力が入るわけもなく、私はその場に崩れ落ちた。
『げほっ、げほっ』
急に肺に空気が入ったことにより、私は噎せる。
そんな私の肩に、温かいものが触れた。
轟「瞬城！大丈夫か！？」
『…？あ、れ？轟、くん…？』
酸素が足りないのか、私のクリアになったはずの目には彼の姿がぼやけて見えて、
轟「！お前、血が…！」
『あぁ、これなら、だいじょーぶ、』
私はいつもの様にへらりと笑って見せた。
はずなんだけど。
轟「笑ってる場合か！警察は呼んだ。救急車も…」
いや、それは大丈夫だ！必要ない！
って、言いたいけど、頭が回らなくて、言葉が出ない。
私はその意思を伝えようと、轟くんの服を引っ張って首を横に振った。
轟「！…分かった。なら、敵をどうにか…」
『！…それも、心配、いらない…と』
どさり。と何かの倒れる音がした。
目を向けると、敵が泡を吹いて倒れていた。
轟「！な……！」
『もっと、即効性のにしないと、』
今回みたいに自分が危ないや。
なんて。
そんな事だけは何だか頭が回る。
この後すぐに、パトカーのサイレンの音がして警察が来た。
事情は何となく轟くんが説明してくれた。
また後日私に話を聞きに来るそう。
轟「立てるか？」
『あ、うん。だいじょ……あれ。』
体に力が入らない。
轟「…のれ。」
と、轟くんはしゃがんで私に背を向けた。
『…ん？』
轟「そのままで家に帰るつもりか？」
彼の言うそのままとは、多分血が出ているこの状態の事だ。
『あは、大丈夫だよ。そんな大した…ひぃっ』
轟くんから殺気(？)を感じ取り、思わず声が出る。
轟「いいから乗れ」
『イェッサ』
言われた指示に従わなければ命が危ないと思った。
『あのー、重いよね、ごめんね』
轟「重くない事はないが、このぐらい普通の重さだろ」
『ごめんね？！』
結構はっきりおっしゃるのね。
『あのー、何処へ？』
轟「俺がよく行く病院」
轟くんがよく行く？何処か悪いのか？
そんな疑問を幾つか浮かべていたのであった。
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晶(プロフ) - 琥珀さん» ご指摘ありがとうございます。 (2018年6月9日 14時) (
レス) id: d331f215d7 (このIDを非表示/違反報告)
琥珀 - 53話の相澤先生の台詞のヒーローのところが平仮名になってましたよ (2018年6月9日 7時) (レス) id: 916e8c1e66 (このIDを非表示/違反報告)
オワタ - めっちゃお気に召しました！ (2016年7月16日 0時) (レス) id: 8f905062d1 (このIDを非表示/違反報告)
晶(プロフ) - オワタさん» ありがとうございます！！！お話更新いたしました！！！お気に召すものかどうか…！！ (2016年7月14日 14時) (レス) id: 9384625c7a (このIDを非表示/違反報告)
オワタ - ７５話面白いです！早く、早く轟君！夢主を助けてっ！ (2016年7月13日 20時) (レス) id: 8f905062d1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：晶（あき） | 作成日時：2016年6月11日 18時
