美食家２ ページ3
いつもカッコつけて。
困ってる顔なんて一度も見せたことない馬鹿。
彼は今私の胸の中で静かに泣いていて、いつ喰べられてもおかしくない中私は幼馴染を抱きしめ続けた。
貴「月山…今まで本当に頑張ったね…。
本当に辛かったね…
気づいてあげられなくてごめんね」
返答がなくても良い、今伝えたい言葉をありのままに伝える。
不意に月山が顔を上げた。
その顔には涙でぐしゃぐしゃでまるで幼子のよう。
それでも私は言葉を続ける。
貴「私を捕食対象としてみても良い、
お腹が空いたら私を食べてもいい。
もし今食べないなら側にいさせて？私があなたを守るから」
月山は驚きを隠せない表情で私を見ていた。
人間と喰種の共存。
それはとてつもなく大変な事で、死も伴う危険な生活。
それでもいい。
私は小さい頃君と約束したから。
月「……何を言ってるかわかってるのかい？」
貴「うん」
月「そう…」
月山は私の体を優しく離して微笑んだ。
赤黒い瞳から滴る涙が月明かりに美しく照らされる。
月「帰ろうか、二人で」
それがすべての答えだった。
月山は肩から流れる血に慣れた手つきで止血を施す。
月「側にいてくれるかい？」
昔のように小指を出してきた。
私はすぐさま月山と小指を絡ませる。
貴「約束」
月山の瞳はもう赤黒くはなかった。
また、見たいな。
そんな期待を持ちながら月山と帰路についた。
貴「月山、その派手なスーツ似合ってない」
月「なんて事を言うんだい！」
貴「…なんか似合わない」
月「どこら辺だい？
僕には最高だと思うけど」
貴「色？」
月「そんな事言ったら髪もじゃないか！？」
貴「いや…紫一色はださいかなーって。
まず大学生がそんな派手なスーツはね…」
月「じゃあ、
今度服を選ぶためにデートしてくれるかい？」
思わぬ申し出にふざけた雰囲気が一気に変わる。
貴「服を選ぶために？」
月「いいよね？」
貴「まぁ…いいんじゃないかな。
デートではないけどね」
月「…ひどいなぁ。
さっきまであんなに優しかったのに」
貴「ん？」
月「それに鈍感」
月山は残念そうに歩き始める。
貴「何が鈍感？」
月「いや、なんでもないよ」
今日は綺麗な満月、他にもどこかで狩られている人間がいるんだろうか。
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渚(プロフ) - ズッキーさん» 遅れてすみません！垢変えして気づきませんでした！好きですよ！月山！！ (2015年8月4日 17時) (
レス) id: f84c897ab3 (このIDを非表示/違反報告)
ズッキー(プロフ) - はじめまして！渚さんの作品をよみました！！あの、渚さんは月山ちゃん好きですか？ (2015年6月6日 18時) (レス) id: 84b7221dd1 (このIDを非表示/違反報告)
渚(プロフ) - 音乃さん» 遅くなりましてすみません。了解しました！ (2015年2月15日 14時) (レス) id: 16b188718a (このIDを非表示/違反報告)
音乃(プロフ) - 渚さん» カネキクゥン出して、月山さんが叫んで欲しいですねw( ＾∀＾) (2015年2月15日 9時) (レス) id: a341a715a6 (このIDを非表示/違反報告)
渚(プロフ) - 音乃さん» ありがとうございます！！アドバイスなどありましたらおねがします(*^^*) (2015年2月15日 9時) (レス) id: 16b188718a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：渚 x他1人 | 作成日時：2015年2月14日 14時
