【名探偵コナン】裏切者はアイツのお気に入り

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「この家の家主は、
あの高校生探偵でしたか」

「え、まさかあんた
そんなことも知らずに住んでたのか？

もしかして、Aくんもそうなのか？」

「……私は、
彼の家だとは知ってたけど

噂で高校生探偵、工藤新一は
事件の捜査中に亡くなったって聞いてたから。

まさか蘭ちゃんが
彼と付き合ってるとは思わなかったけどね」

「死んでるわけないだろう。

僕は二度も彼と同じ事件に
関わってるんだからさ。
二度とも電話だったけどな」

「では、金一というのは？」

「それはーーーー」



これ以上、
新一のことを隠し通せなくなって

前に新一から
昴さんにあまり自分のことを話すなと
言われたことを白状する。


それに加えて、
死んだと噂になっている理由について

いつも事件の関係者に
自分が関わったことを伏せるように
しつこく言ってるからだろうと話す。



「追ってる事件の犯人に
警戒されないためみたいなんですけど」

「アイツは敵の城に
潜伏してる忍者かっつうの」

「じゃあ今から電話してみるのはどうだ？
僕も彼の推理聞きたいし」

「ボ、ボクちょっとトイレー！」



園子に「告り返すんだから」と
茶化されたせいで

普段なら、声を聞けて嬉しいはずなのに
緊張して何を話せばいいか、分からなくなる。


携帯を取り出して
新一の連絡先を探す。

すると、昴さんから
頼み事をされた。



「彼に電話するなら
一言添えてくれませんか？」



＊





どうしても確認したいことがあって

私は静かにその場を後にして
彼に気付かれないよう尾行した。



家主が工藤新一だということは
ここで暮らすずっと前から知っていた。


どういう経緯か、ジンが工藤新一に
試薬段階の“APTX4869”を飲ませたが

彼の死亡は確認されておらず、
行方不明となっていた。


その事実を確認するために
工藤邸を調査することになり

そのメンバーに
薬の作成者である志保がいたから
私もその調査に同行した。


あの時は誰もいなかったから

ここに逃げてきた時、
誰かいるなんて思いもしなかった。


ここで暮らし始めてからも
工藤新一の話題は一切聞かなかったから

死亡したという噂は
事実かもしれないと思っていた。


でも、その疑いは
世良さんの言葉で完全に否定された。



工藤新一は、まだどこかで生きている。



志保が幼児化しているってことは
工藤新一も幼児化している可能性がある。


だとしたら……
思い浮かぶのは一人しかいない。

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