【名探偵コナン】裏切者はアイツのお気に入り (ページ38)

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File38：秘事ページ38

学校に向かう途中
自販機の前で倒れている人を見つけた。

傍には、昔新一から聞いたものと同じ
「ﾀﾋ」という血文字が残されていた。

ずっと前に、新一から聞いた事件でも
血文字が残っていて

私たちが見つけた血文字は
その特徴にそっくりだった。

当時、事件を解決した新一のお父さんは
事件性はないと判断したみたいだけど

新一はそれに納得できなくて
父さんが諦めたって言ってた。

今回の件に関して
目暮警部は窃盗事件って言ってたけど

気になって当時の事件簿を見ることになった。

「あ、新一から返信来た！

『勝手に家の中を
ほじくり返されるのもなんだし

コナンくんにその写真を
探偵事務所に持って行かせるから
それで勘弁しろよな』」

じゃあ、その場所
私に教えなさいよ……。

「でもさぁ、着いちゃったよ。
ここだろう？
工藤新一くんの家。

この家に住んでる
昴とAにも会ってみたいしな」

結局、その場の流れで
新一の家にお邪魔することになった。

玄関には、見慣れた運動靴が
乱雑に脱ぎ捨てられていて

コナンくんがもう来ているのだと
すぐに分かった。

廊下を歩きながら、園子が話し出す。

「でもさぁ、昴さんって
前から気になってたことがあるんだよね。

あの人、いつも
首元隠すような服ばっか着てるじゃない」

言われてみれば
確かにそうだったかもしれない。

今まで気に留めなかったから
気付かなかった。

物音が聞こえたのか
世良さんが勢いよくドアを開ける。

でも、その部屋にいたのは
コナンくんじゃなくて、昴さんだった。

昴さんは歯磨きの最中だった。

起きたばかりなのか
少し寝癖もついていて

なんだか見てはいけないものを
見てしまった気分になって
こっちが恥ずかしくなってしまう。

ふと、さっき園子が言ってたことを思い出して
首元に目をやると、首元は開いていた。

でも、タトゥーのような
何か人には見せられないものを

隠しているようには見えなかった。

じゃあ、園子の気のせいだったのかな。

「すみません、昴さん
コナンくんが来てると思うんですけど」

そう尋ねると、

昴さんは歯ブラシを咥えながら
書斎の方を指差す。

「書斎の方ですか？」と
確かめると、二つ返事で頷いた。

「ありがとうございます。
じゃあ、書斎に行ってみます。

世良さん行くよー」

首元を凝視する園子を引っ張って
書斎へ足を運んだ。