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「勝手な行動をして、ごめんなさい」



工藤邸に帰ってから
私は昴さんに銃を渡した。


昴さんが博士の家の前に
車を移動してる間

万が一に対応できるよう
サイレンサーよりも銃声が小さい
消音リボルバーを取りに行った。


実際、それがあったから
犯人から銃を取り上げて
コナンくんの安全を確保できたけど


事が片付いてから振り返ると
車から身を乗り出して銃を撃つなんて、

私の正体が彼女にバレるだけでは
済まされないことをしでかしたんだと
自責の念に駆られる。



「反省している人を
責めるつもりはありませんよ。

私も似たようなことを
考えていましたから。


しかし、気をつけてください。
正体が気付かれてはいけないのは
彼女だけではありませんから」



白い車が私たちを追い越す時
褐色肌に明るい髪色の彼が見えた。

あの車、そしてあの容姿
間違えるはずがない。



ーーーーもう一人の狼。



彼は私に気付いただろうか。


私がこの米花町にいることを

私があの時犯人の銃を撃ち飛ばしたことを

私が組織を裏切ったことを……。


私が組織から逃げる時、
襲われたように見せたあの場所を
もし、彼が見たなら

組織屈指の頭脳と言われている彼には
きっと全て見透かされている。



なら彼はどう動くだろう。


私を組織に売ってあの方に近付く?

それとも、私を保護する?



どちらにせよ、
私にはまだカードが残っている。

それをいつ切り出すか
タイミングさえ見誤らなければ……。





昴さんは忠告の後
リボルバーを私に返した。


てっきり没収されると思っていたから
なぜ返してくれたのか、疑問が浮かんで
昴さんを見上げる。



「それは彼女とあなた自身を守るためのものです。

その代わり、自己犠牲で使わないと
約束してください」



なぜ昴さんがそう言うのか
理由は分かっている。

百貨店でジンを見かけた時
私は昴さんを巻き込まないように
自ら組織に戻ろうとしたからだ。



「あなたがいなくなってしまうと
悲しむ人がここにいるんですから」

「……またご飯作るって、
彼女と約束しましたしね」



約束しちゃったから
ちゃんと守らないとね……。



「今夜は一緒にどうですか?」

「でも私、お酒弱いですよ」

「ええ、知ってますよ」



知ってて誘ったんだ。

今日は気分がいいから
飲むペースさえ調整すれば
気持ちよく酔えそう。



「先にお風呂を済ませてきますね」

「では私もやりかけの仕事を片付けてきます」

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設定タグ:名探偵コナン , 赤井秀一 , 沖矢昴   
作品ジャンル:アニメ
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神楽(プロフ) - 舞さん» ありがとうございます!少しずつになりますが、頑張って更新します(*'▽'*) (2021年7月15日 1時) (レス) id: 526cb756dd (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 更新頑張ってください^o^ (2021年7月14日 7時) (レス) id: e826140184 (このIDを非表示/違反報告)
神楽(プロフ) - マナさん» こんばんは! (2021年7月10日 20時) (レス) id: 526cb756dd (このIDを非表示/違反報告)
マナ - こんばんは… (2021年7月10日 18時) (レス) id: 55773c0381 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:神楽 | 作成日時:2021年6月5日 22時

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