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File21:迫り来る黒い影 ページ21

地下室に籠っていると
美味しそうな、いい匂いがして
空腹であることを思い出す。


そういえば
そろそろ夕食の時間だった。



「博士ー、何作ってるの?
すごくいい匂い」

「おお、哀くん。

Aくんが夕飯を
作ってくれてるんじゃ」

「それで、彼女は?」

「え?ああ……。
彼女なら、昴さんがそろそろ帰るから、と
一度家に帰ったわい。

珍しく気になっているようじゃが
彼女がどうかしたのか?」

「……別に」



気になってるのは確かだけど
そんな易しい意味じゃない。



この間、博士が誘拐されて
私たちが犯人に
追い詰められそうになった時、

彼女を見て懐かしく感じたのは
なぜなのか、気になっていた。


怪我はないか、と
彼女が私に近付いた時もそうだった。

初対面じゃなくて
ずっと前に会ったことがあるような、
そんな感覚だった。



だけど、そんな彼女が
隣に越してきたなんて……。


組織の人間と同じ気配を漂わせる、
もう一人の住人が脳裏に浮かんで

もしかして、彼女も……?


と、どうしても疑ってしまう。



鍋の蓋を開けると
ビーフシチューの香りが一気に広がる。

傍には彼女が味見に使ったであろう
スプーンと小皿が置かれていた。


それに手を伸ばして
私も一口味見してみる。



「……美味しい」



口の中に広がる、コクのある味わいが
彼女への疑心感を掻き消していく。

予感が外れることを願って
きっと大丈夫、と
自分に言い聞かせた。





その時、電話が鳴って
博士がそれを取る。


この時間だと、工藤くんかしら。

また事件に関わってるか
調べてほしいことがある、とか
言うんじゃないかしら。


ホント、物好きな名探偵さん。



「おお、蘭くんか。

……なんじゃって!
コナンくんが誘拐された!?
しかも、殺人犯にかっ!」



その予想は
最悪な形で当たってしまう。


工藤くんが誘拐された……!



「……うん、わかった。
予備の追跡眼鏡で
探偵団バッジを追跡してみよう」



直接二人の会話を聞かなくても
博士の言葉だけで
何があったのかすぐに理解できた。


一体どうしたら
そんなことになるのよっ!



「でも、博士
一体どうやって追跡する気なのよ。

博士のビートル、
今修理に出してるんじゃなかった?」

「あ、ああ……、そうだった。
こうなったらタクシーに
無理を言って追うしか……」

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設定タグ:名探偵コナン , 赤井秀一 , 沖矢昴   
作品ジャンル:アニメ
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神楽(プロフ) - 舞さん» ありがとうございます!少しずつになりますが、頑張って更新します(*'▽'*) (2021年7月15日 1時) (レス) id: 526cb756dd (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 更新頑張ってください^o^ (2021年7月14日 7時) (レス) id: e826140184 (このIDを非表示/違反報告)
神楽(プロフ) - マナさん» こんばんは! (2021年7月10日 20時) (レス) id: 526cb756dd (このIDを非表示/違反報告)
マナ - こんばんは… (2021年7月10日 18時) (レス) id: 55773c0381 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:神楽 | 作成日時:2021年6月5日 22時

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