【名探偵コナン】裏切者はアイツのお気に入り

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「年頃の女性が男と
一つ屋根の下で暮らすなんて不用心ね。
恋人同士じゃあるまいし」



それは私を心配してるのか
昴さんへの嫌味で言ってるのか
どちらだろう。


でも、今の私にとって
彼女の元気そうな顔を見れたのが嬉しくて
気にならなかった。



「みんな無事で本当によかった」



元気に過ごしていてよかった。

友達もできて、組織にいた頃よりも
ちゃんと笑っててよかった。



「では、みなさん
暗くなってきましたし
うちで夕食でもどうでしょう？」

「サンセーイ！！」



警察が来てから
色々と事情聴取をされたが

事件が既に解決しているからか
想像よりも早く解放された。


それから、工藤邸で
子どもたちも一緒に食卓を囲んだ。





＊



コンコン、と
書斎の扉をノックする。

どうぞ、という声を合図に部屋に入ると
昴さんは普段通り
資料と睨めっこしていた。



「ハーブティを淹れてみたんですが
少し休憩でもどうですか？」

「そうですね。
ありがとうございます」



応接室に移動して
ティーカップを昴さんの前に置く。

紅茶を飲むように
香りを楽しみながら口に含んだ。



「今日はありがとうございました」

「……それで、
聞きたいことがあるのでしょう」



なんでもお見通し、か。

でも、聞いたって
答えてくれないでしょう。



「一切合切話さないつもりはないですが
答えられる範囲でいいですか？」



それってつまり……。



「教えてくれるんですか？」

「私も聞きたいことがありますしね」



なるほど。
情報交換ってことか。



聞きたいことは山ほどある。


なぜ明美を知っているのか。

コナンくんと初めて会った時
私は広田雅美と言ったのに

今日の昴さんの反応を見る限り
私の探している人が
宮野志保だと分かってるみたいだった。


その上で、
彼女のことを黙っていたのは

私が組織を裏切ったのか
疑っていたからだろう。


でも、なぜその疑いが晴れたのか。

そこで気になるのがあの手紙だけど
手がかりは何もない。



気になることといえば

廃ビルで犯人を見つけた時
昴さんは難なく、男を気絶させていた。


初対面の時、昴さんは
武術の心得がある口振りだったけど
護身用なんてレベルじゃない。

ジークンドーの技だ。

しかも、どうしてか
赤井秀一と重なって見えた。

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