【名探偵コナン】裏切者はアイツのお気に入り (ページ15)

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File15：探しものページ15

ーーーーピンポーン。

結局、昴さんに反論できなくて

その日の夕方
隣に住む阿笠博士の家に出向いた。

でも、呼び鈴を鳴らしても誰も出ない。

平日は大体家にいるって
聞いたんだけどなぁ。

もしかして発明に集中してて
聞こえてないとか？

ダメ元で扉に手をかけると
不用心にも開いてしまった。

鍵がかかってないことにも驚いたが
部屋に入ると、

何者かに荒らされた後のような
光景が広がっていて
その場で立ち尽くすんでしまう。

電源が入ったままのパソコン
床に溢れたコーヒー
散乱した机上の小物

何かがあったとしか考えられない。

＊

「恐らく宅配業者を装って
家の中に入ったのでしょう。

この時間なら
彼女は既に帰宅しているはずですが」

「彼女？」

「博士と一緒に住んでいる小学生の女の子ですよ」

小学校の下校時間は
とっくに過ぎている。

なら、二人とも
攫われたってこと？

でも、何か引っかかる。

その時だった。
電話がかかってきた。

「……はい」

昴さんはこちらを一瞥してから
受話器を取った。

「もしもし、
どちらさまでしょうか？」

電話に出た本人は
驚くほど落ち着いた声をしているのに

傍でじっとしている
私の方がソワソワしてしまう。

犯人からだったのかな。

でも、電話はすぐに切れたようで
受話器がすぐに元の場所へ戻された。

「どうでした？」

「無言で切られたので
誘拐犯だと断言できませんね」

間違い電話の可能性もあるからか。

少しでも情報があれば
手がかりになるんだけど。

「気になったんですが、

どうして犯人は二人とも
誘拐したんでしょう。

私が犯人だったら
子どもを誘拐すると思うんですが」

その言葉に何か閃いたのか
昴さんは「なるほど」と呟く。

口角を上げて
まるで獲物を見つけた肉食動物のように
目を鋭くさせた。

「ここで待っていてください。
すぐに戻ります」

「わ、分かりました」

うーん…。

携帯のGPSを調べられたら
居場所を絞れるんだけど。

携帯が電源オフになっていても

最近は、基地局と繋がっていた最後の場所を
特定できるから

それを手がかりにできると思うんだけど。

その時、再び電話が鳴った。