二人目のお癒者さん 7 (翔) ページ37
潤Side
晩ご飯を食べ終えてまったりしているとき
テーブルの上に置いていたスマホが震えて部屋に大きな音が響いた。
マナーモードにしてたけど
スマホの端っこがガラスのコップにぶつかってたから、
すごい音になっちゃったみたい。
隣にいた雅にぃなんて「びっくりしたぁ〜」って
身体をビクンと跳ねあげちゃって。
俺もびっくりしたけどさ
雅にぃの驚き方、それはちょっと大げさじゃない?
潤「ごめん、うるさかった?」
雅「家の中で工事が始まったのかと思ったよ。
誰から? 智にぃ?」
潤「うん、そう。やっと食べる気になったかな」
工事なんてやっぱり大げさだと思いながら
画面をタップして耳に当てる。
内容は予測通りで、翔にぃのご飯を持ってきてほしいとのことだった。
俺らと一緒にご飯食べさせようと思ったけど
全然食べる気になってくれなくて、
智にぃが説得に行ってたんだよね。
一日何も食べないのはよくないからって。
潤「翔にぃ〜、ご飯ですよ〜。
あれ…? ひとまず…机の上に置いておく?
今すぐには食べられないよね…」
てっきり食べる準備ができてるのかと思ってたのに
翔にぃは智にぃに頭を撫でられながらグズグズ。
潤が持ってきてくれたよ?
ご飯食べよう?
元気でないよ?
智にぃが優しい声で話しかけてあげてるのに
全ての言葉に首を振って拒否をする翔にぃ。
でもそんなことで動じない智にぃは
てのひらでそっと顔を包み込んで、
赤くなった目を見つめながら
「食べなきゃダメ」って少し厳しくなった声を出した。
途端に泣き顔になった翔にぃに
智にぃはフワッと笑って、
「食べられるもんね〜」って親指で頬を擦る。
なんなんだこのゆる〜い飴と鞭は(笑)
でもそのおかげなのか、翔にぃはより強く智にぃにしがみついて
説得の言葉にも首を縦に振っていた。
こんなに弱々しくなった翔にぃを見るのは久々で心配になるけど…
でも智にぃが言ってたんだ。
わざと泣かしてるんだよって。
智にぃは泣き止ませるのも上手いけど
泣かせるのも上手いみたい(笑)
智「よし、じゃあご飯食べようね〜
潤、翔の身体支えてあげてくれる?
僕が食べさせるから」
智にぃ、翔にぃの身体支えてるのきついんだって。
そりゃそうだよね、翔にぃの方が身体デカいんだもん。
なのに翔にぃは智にぃから離れたがらない。
甘えんぼうにさせるのはいいけどさ
慣れてない俺は対応に困るんだけど(笑)
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作者名：ちさ
| 作成日時：2013年10月14日 18時
