パパが治してあげようね *ARS* 7 (ページ46)

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末っ子のまーくん　8　(雅) ページ46

翔Side

患者さんが落ち着いたのを見計らって
和の携帯に電話をかけた。

朝は急いでてそのままでてきちゃったから
雅紀のことが気がかりで。

どうせ弟2人を困らせてるんだろうなって思ったら
案の定薬を飲んでくれなくて苦戦中だという。

まぁそれは想定していたことだったから軽く流したんだけど、
和くんにため息つかれて、やべぇ怒らせた…って慌てた俺は
「雅紀の状態は?」とすぐに話を変えた(笑)

和によるとさっきまで歯が痛いって言って困ってたけど
それは心配ないとのこと。

今は頭痛が酷くて寝れないようで
それで鎮痛薬を飲ませようとしてるらしい。

和は俺らのこと怖がってるなんて寂しそうに言ってたけどさ
そんなのいつものことじゃん?

医者の姿をチラつかせれば、俺だって怖がられるよ。

翔「そんなの気にしなくて平気だって。
俺なんて君たちに何回嫌いって言われたと思ってんの?(笑)

痛みがあるから何かされると思って怖がってんだよ。
注射もなにもしないって言ってやんな?」

和『言ったよ。でもダメなんだもん…』

翔「そんな弱気な声だすなよぉ～
雅紀にかわってみ? 俺が話してみるよ」

和が弱気になるなんて珍しいね。

俺が電話するまでに、かなり苦労したとみえる(笑)

何言ってもダメだったんだろうな。

俺も昨日、一つ一つ説得して
落ち着かせるの大変だったもん。

なんて、そうこう考えているうちに
耳に荒い呼吸音が聞こえてきた。

だいぶ呼吸速いな…
熱上がったのかな…

翔「まさき? 聞こえる? …まさき?」

遠くから、「ほら、翔にぃだよ?」って
和の声が聞こえてくる。

何度か名前を呼んでいると
ようやく「しょ…にぃ?」って雅紀の声が聞こえた。

なんでそんな泣きそうな声してんの。

朝よりはるかに弱々しくなっちゃって…

どうせなら、ちゃんと目を見て話してやりたいな。

翔「まさき? 頭、痛いんだって?」

雅『しょ、にぃ……どこ…るの?』

翔「ん? 俺はね、今病院にいるよ。
雅紀は? 今誰と一緒にいるの?」

雅『ん……ずと…じゅ、ん…』

翔「うん、そうかぁ。
和と潤がいてくれれば寂しくないね」

受け答えは問題ないね。
意識はしっかりしてるみたいだ。

寂しくないねっていう俺の問いにも
すぐにうんって答えてた雅紀。

やっぱり和のこと、怖がってなんかないじゃん。

一緒にいてくれて、心強いよな。

頼りになる弟だもんな。