末っ子のまーくん 5 (雅) ページ43
潤Side
潤「俺のほう向いて? 怖がんなくて平気だから」
ベッドに寝かせて口を開けさせようとするも
首を振って逃げてしまってどうしようもない。
和にぃは邪魔をする手を押さえてくれてるから
顔まで押さえることはできないし…
潤「和にぃ、脚持って?」
和「いいよ。せーの」
もう仕方ないから
和にぃと協力して雅にぃを少し下にずらし、
枕元に俺が正座をして脚で雅にぃの頭を挟むことにした。
怖がらないように軽くはさんだだけだから
まだ動いちゃってるけど、
さっきみたいに大きく首は振れないからまだましだ。
潤「口開けて? 雅にぃ。
あーって」
雅「んっ…んぅう……」
和「雅にぃ、潤が待ってるよ?
あーんってしてほしいって」
いくら俺らが説得しても
唇にぎゅっと力を入れて、抵抗してくる雅にぃ。
でも頬を触ってみると
歯を食いしばっている感じはなかった。
たぶん指入れれば開けるな。
潤「和にぃ、ちょっとバッグ取ってもらっていい?」
床に置いてあったバッグの中から
一枚だけグローブを取り出して、
雅にぃに見えない位置で右手にはめる。
そのうちに和にぃが気を利かせて
ペンライトをいつでも使えるように準備してくれた。
潤「じゃ、ちょっとだけ診せてね〜」
雅「んっ!!……ん、んっ」
潤「力入れないで?
いてて。指噛んだら痛いよ、雅にぃ」
唇の間に人差し指を入れると
思った通り歯の間には少し隙間があって、
顎を下げながらそこに指を差し込んだ。
そのまま少し指に力をこめれば
抵抗はしたものの徐々に口が開いていく。
そこにタイミングよく和にぃから渡された
ペンライトの光を入れ、口の中を照らした。
……虫歯、なさそうだなぁ。
特に気になるところもない。
本当ならもっと詳しく見たいけど
雅にぃはんーんー唸ってまつ毛も濡らし始めている。
頭を挟んでいる脚に伝わってくる熱も相当だ。
こんなに熱が高いのに
長い時間こうして固定しておくのは可哀想だよなぁ…
そう思った俺は、正座から胡坐に変えて
足の上に雅にぃの頭を乗せた。
雅「んっ…んぅっ…」
潤「ごめんね…頭、痛かった?」
ちょっと固定する力が強かったかなと思ってそう聞くと
雅にぃはうるんだ目で俺を見上げてきて、
口を半開きにしながら小さく首を振った。
いつもなら指を抜いたら慌てて口を閉じるのに
今日は開きっぱなし。
こりゃ、噛むのを嫌がってるって感じだなぁ…
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作者名：ちさ
| 作成日時：2013年6月29日 14時
