パパが治してあげようね *ARS* 6 (ページ42)

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えまーじぇんしー　6 ページ42

智Side

ふらつく身体をなんとか動かし、
おかゆを作っておぼんに乗せ、みんなのもとに戻った。

少し頭がボーっとしだしたけど、
まだもう少しいけそうだ。

ゲームみたいに、
簡単にHPが回復できるアイテムでもあればいいんだけどね…

点滴でもすれば、ちょっとは回復するかな…

でも、今自分でやるのは無理だろうから。
こんな状態でやったら、血管突き破っちゃう。

ここは内服薬でなんとかするしかないね…

智「じゅん……じゅん?
起こしちゃってごめんね。ご飯食べれる?」

潤「んぅ……ん。」

智「うん。ちょっとだけでもいいから。
食べておこうね。
かず～。起きて? ご飯食べよ?」

僕がおかゆを作っている間に、
弱っている弟たちは全員夢の中。

唯一起きていたAが隣の翔を起こしてくれて、
僕はその間にぐったりしている雅紀を
後ろから抱き上げるように起こしてやった。

また熱上がったかな、雅紀。
……身体が熱い。

智「潤は梅干しだったよね。
和はコンブでよかったかな?
翔ちゃんはよくばりだから両方だっけ?」

翔「はっ、えぇ?
あぁ……わざわざ中身かえてくれたの?
ごめん……そんなことまで……」

智「かえるっていっても、上に乗せただけだもん。
Aはゆいちゃんと同じでいい?
ゆいちゃんは僕が食べさせるから、先に食べちゃいな?」

Aにゆいちゃんの好きな
鮭フレークの入ったお椀を渡して、

僕は雅紀用の、
他よりも少し柔らかめにしたおかゆを手に取った。

みんな、あまり食欲ないだろうから。

好きなものが乗ってれば、
ちょっとくらいは食べてくれるかなって。

みんな同じ味で作ってもよかったんだけど
和はあんまり梅干し得意じゃないし、

雅紀は少しお腹が弱ってるから、
あんまり味の濃いものにするのもね。

だから今回は、
生姜と塩でかるく味をつけた白がゆにしたんだ。

智「はい、雅紀。
自分で食べれる?」

雅「うん……ありがと。」

僕の胸に寄りかかりながら、
お椀とスプーンを受け取った雅紀。

スプーンの先にちょっとだけおかゆをすくうと、
パクッと一口、口含んでくれた。

雅「…おいしい。
おこめ、甘いね…さとに。」

そう言って僕の方に振り返りながら
ニコって笑った雅紀。

雅紀だけじゃなくて、
みんなが、おいしいって言って食べてくれる。

僕を気遣ってくれてるんだろうけど、
みんながモグモグと口を動かしてくれているのは、
素直に嬉しかった。