パパが治してあげようね *ARS* 6 (ページ37)

今日:3 hit、昨日:23 hit、合計:903,082 hit

えまーじぇんしー　1　*リクページ37

智Side

智「はい、和。こっち向いて?」

和「ん……うっ、つめたっ…」

おでこに冷えピタを貼られている和くん。

結「やっ……たいたいっ!!」

続いて小さなおでこに手を伸ばした僕を怖がって、
涙目になっているゆいちゃん。

2人は今、風邪キンに苦しめられている。

最初に熱を出したのがゆいちゃん。
たしか…おとといくらいだったかな。

せっかく下がってきたと思ったのに、
今日になってまた8度台まで跳ね上がったんだ。

そんなゆいちゃんを抱いて寝かしつけていた和の顔が
なんだか赤くなっているのに気付いたのが、
ついさっきのこと。

どうやらゆいちゃんの風邪をもらってしまったらしい。

結「やっ、やっ!! めっ!!」

智「う～ん…ダメなの?
も～、和がそんな顔するから～」

和「ごめ～ん。
ゆいちゃん、痛い痛いじゃないよ?
冷たかっただけ。
ほら、ペッタンって。
気持ちいいね～」

無事に冷えピタを貼り終え、
ソファーに座る和と、和に抱っこされている結心ちゃんに、
大きめのブランケットをかけてやる。

身体を熱くして
いつもより速い呼吸をしている2人を横目に
リビングの端っこに布団を敷いていると、
ゆいちゃんが和の腕の中でグズグズしだした。

和「うあぁ…さとに、落ち…るっ」

ちょっとゆいちゃんがジタバタしただけで、
支えきれなくなった和が僕に助けを求めてくる。

和、身体に力が入らないんだろうな…

早く寝かせて、休ませてあげよう。

智「ごめんね、任せちゃって。
ほら、ゆいちゃん、おいで?
和もここで一緒に寝る?」

和「えっ…俺は2階で……」

結「あっ、あっ、かじゅくっ」

智「ゆいちゃんは一緒に寝たいみたいだけどなぁ～
……どうする?」

僕の腕の中からのけ反るように
和に両手を伸ばしているゆいちゃん。

みんながいるところで寝るなんて…と、
恥ずかしがっていた和も、
ゆいちゃんにくっ付かれながら布団の中に入ると、
すぐに寝息をもらしだした。

「ふふっ。くっつきすぎだよ。」

智「ね～。この方が安心するんじゃない?」

“よかったね、ゆい”って頬を撫でたA。

“2人とも早く元気になるんだよ”って頭を撫でた僕。

安心した顔で眠っている2人を見て、
明日にはまた元気な声が聞けるよねって、
僕とAは笑っていた。

……だけど。

次の日に僕が見たのは、想像とは正反対の光景。

嵐谷家史上初の緊急事態に、僕は頭を悩ませていた。