しょーちゃん、行っちゃダメ!! 2 (結) ページ14
和也Side
智「どうしたの〜、ゆいちゃん。
そんなに泣いて〜」
俺の腕からゆいちゃんを抱き上げて
ゆらゆらと身体を揺らし始めた智にぃは、
俺名前を呼んでから、机の上のものを指さした。
念のためにおいておいた、
家に常備している診察用バック。
使わずに済むといいな〜と思ってたけど、
やっぱり今回も開けることになってしまった。
和「お熱測るよ〜。
はい、おててばんざーい。」
結「やっ!! ぎゃあぁ〜〜」
智「おぉ、すごいね(笑)
ゆいちゃん、お熱ピッピするだけだよ。
だいじょうぶ〜。」
結「やあぁぁー!! しょっ・・ちゃー!!」
智「ん?」
和「ん?」
激しく泣くゆいちゃんが
翔ちゃんと言った気がして、
俺と智にぃは顔を見合わせながら首をかしげた。
智「翔のこと呼んだ?」
和「う〜ん・・・俺はそう聞こえたけど。」
結「うぇっ、うえぇぇ〜ん・・・
やっ、やっ・・・」
和「あぁ、ごめんねぇ。
もうおしまいにしよう。
ほら、お布団にごろんするよ〜」
なんだかよくわからないけど
ゆいちゃんがぐったりし始めたから、
体温計がなったのを確認してベッドに寝かせた。
さっきまで大泣きしていたのが嘘のように、
苦しそうに息をしながら
弱々しく泣いて身体をよじっているゆいちゃん。
大きな声で泣いて暴れて、疲れちゃったね。
智「ん〜・・ちょっとゼーゼーしてるね・・・
ゆいちゃん、ここ苦しい?」
結「んっ・・んー・・・ふぇっ」
智「うん、よしよし。
抱っこがよかったね。はい、おいで?」
胸が苦しいかという質問に答える余裕もなく
両手をのばすゆいちゃんを、
智にぃがそっと横向きに抱いてくれた。
これ以上泣かせるともっと苦しくなっちゃうから。
ゆいちゃんだけじゃなくて俺のことも考えて、
診察しやすいように抱いてくれた智にぃに感謝だ。
和「よ〜し、じゃあ少しだけ
お胸もしもししようかな。」
結「ふぇっ・・うえぇぇぇん!!」
智「おっと・・・危ない、危ない。
落ちちゃうところだったね〜
ほら、ゆいちゃん。もし、もし。」
胸をトントンとたたいてくれている
智にぃの手をどかそうとしているのか、
フラフラと空中を彷徨う小さな手を
そっと掴んで智にぃに渡した。
もう泣き疲れたと思ってたんだけどなぁ。
どこからこんな力を絞り出してくるんだろうね。
しょーちゃん、行っちゃダメ!! 3 (結)→←しょーちゃん、行っちゃダメ!! 1 (結) *リク
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 479人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ちさ
| 作成日時：2013年5月17日 17時
