絶対安静 12 (和) ページ12
智Side
和「はぁ〜、おいしかった。」
翔「それはよかった。」
メロンパンを完食して、
乾いた口を潤すためにゴクゴクと水を飲んでいる和。
それを見ていた翔は思い出したかのように
ベッド横についているハルンバックに目を移した。
翔「和さぁ、そろそろ起きられるんじゃない?」
和「え? もう起きてるよ?」
確かに今はベッドの背を少し上げているから
起きているといえば、そうかもしれない。
でも翔が言ってるのはそのことじゃないんだよね?
翔「離床できるんじゃないのってこと。
やってみる?」
和「え〜、だって痛い・・・」
翔「大丈夫!! 俺が起き方教えてやる。
いつまでも寝たままは良くないからね。」
僕もそろそろ
絶対安静が必要な時期は過ぎたかなと思っていた。
明日にでもベッドから出してみようと思ってたから
翔がやってくれるならありがたい。
教え方も、僕よりうまいだろうしね。
和「あっ・・いたたた・・」
翔「そんなに身体捻るからだよ。
ほら、ここに手置いて。
ゆっくりな。」
和「んん・・こう?」
翔「そうそう。
そしたら足をベッドからおろして?
右足気をつけるんだよ?」
和「うん。わかってる。」
痛いからヤダと言っていた和も、
練習していくうちにノってきたみたい。
足と腰に気を付けながらだから時間はかかったけど、
ベッドの端に座ることに成功。
まだ翔に支えてもらいながらだけど、
久々に背筋を伸ばして座ることができた和は嬉しそうだ。
翔「気持ち悪くない? 大丈夫?」
和「うん。へーき。」
目眩とかそういうのもないみたいだし
手を貸してやれば立つこともできるかな。
これなら・・・
翔「よしっ、もう大丈夫そうだな。
それ、抜いちゃおうか。」
和「えっ、ほんと? やったー。」
よかったね、和。
ようやくうっとうしかった管が抜けてスッキリするね。
智「はい、いくよ〜
力抜いて〜」
和「あぁー、だめ!! いたい!! いたいって!!」
翔「動かないの。がーまーん。」
和「ばかっ、やだっ、いたい!!」
あんなに喜んでたのに、抜くときはやっぱり大騒ぎ。
痛かったといって拗ねてしまった和の頭を、
翔が撫でてやっている。
翔「拗ねんなよ〜。
またメロンパン買ってやるから。」
和「ん・・クリームパンも。」
翔「はいはい(笑)」
結局最後まで、翔は和の言いなり。
それでも、嬉しそうに笑う和を見ると、
やっぱり許してしまうんだろうね(笑)
しょーちゃん、行っちゃダメ!! 1 (結) *リク→←絶対安静 11 (和)
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作者名：ちさ
| 作成日時：2013年5月17日 17時
