パパが治してあげようね *ARS* 6 (ページ28)

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足の怪我　4　(潤) ページ28

智Side

智「あら～、潤ちゃん。
ちゃんと待ってられたの。えらい、えらい。」

潤「はぁ!? 当たり前でしょ…」

僕がリビングに戻ってくると、
潤はきちんとソファーに座って待っていた。

てっきり逃げちゃうかと思ったけど、
予想外だったね(笑)

智「ふふっ。
約束守れるなんてさすが。お利口さん(笑)
ほら、足かしてごらん?」

僕にからかわれてムスッとしていた潤も、
足首を握られると、グッと身体を硬くした。

顔を強張らせているのはわかってるけど、
今は気付かないふり。

重ねたバスタオルの上に足を置いて、素早く準備を済ませ、
上を向いた指に針のついていない注射器を近づけた。

智「ぶつけたところの近くって、芝生だったの?」

潤「えっ…?」

このままやっちゃおうかと思ったけど、
まだ始める前から足をビクビクさせてるから、
さすがに強行突破をするのはやめた。

足を撫でてやりながら、ほんのちょっとだけ休憩。

智「草の破片みたいなのが付いてるからさ。」

潤「ん?……ちょっと生えてたかも。」

智「そっか。
まぁでも、浅いところだから。
ちょっと水かければすぐ取れると思うよ?」

潤「………ん。」

智「ちょっとしみるけど、大丈夫。
少しだけ我慢したらおしまいね。
はい、いくよー」

潤「んっ!!…っく…」

勢いを調節しながら優しく水をかけて洗浄してあげるけど、
それでも痛みはでるようで、潤はビクッと足を引いた。

智「ちょっと奥のが取れないから…ごめんね。」

ただでさえ痛がってるのに、
傷口を広げなければいけないのは可哀想。

爪の間なんて、
ちょっと傷ついただけですごく痛いのにね。

潤のはちょっと深いから、痛みは相当なものだろうな…

潤「あぁっ!! バカっ!!」

智「痛いね。ごめんね…」

潤「うっ…いってぇ!! ふっ…はははっ(笑)」

容赦なく傷口に水をぶっかける僕に
バカと言いながらも痛みに耐えていた潤は、

身体をのけぞらせて
ソファーを手のひらでパシパシ叩きながら笑い始めた。

どうやらあまりの痛さに笑うしかなくなったらしい。

潤「ちょっ、さとにっ!!
いたい、いたい!! ストップ!!」

智「もうちょっとね。頑張れ～」

潤「あぁっ…あぁー!!…はっ、ははっ」

目を潤ませながら、
叫んだり、急に笑い出したり。

なんだかもうわけわかんなくなってきた潤は、
結局洗浄が終わるまで笑い続けていた。