0歳のママ 12 ページ35
智Side
雅「かわいいなぁ〜
ちっちゃいねぇ〜」
和「ちょっと、あんま触らないでよ。
今は俺の番なの。ね〜、ゆいちゃん♪」
雅「いいじゃんかぁ!!」
和「ダメです〜。
大人なんだから、順番くらいちゃんと守って。」
雅「なんだよ、それ。
じゃあ代わって? もう10分も待ってるの、俺。」
和「はぁ・・しょうがないなぁ。」
雅「まじ♪ やったぁ〜
ほらおいで〜、ゆいちゃ・・」
和「はい、潤。
次は潤の番だったよね。」
雅「えぇぇ〜、なんでぇ〜」
翔「全然Aのところに返ってこないな(笑)」
「ふふっ。うん。」
Aとゆいが病室に戻ってきてから、
3人はずっとこんな感じ(笑)
Aもゆいを抱きたいだろうけど、
そんなことは一言も言わずに
わちゃわちゃやっている3人を笑顔で見つめている。
そろそろ返してもらう? って聞いた時も
いいの、って首を振るだけ。
あんなふうに喜んでもらえて、
ゆいを家族として受け入れてくれて、嬉しいの・・・
そう静かに口にしたAに、
僕は大きく頷きながらAの手をぎゅっと握った。
智「今日は、Aの誕生日だね。」
「・・え?」
智「ママの誕生日。
今日からようやく、一歩目が始まるんだね。」
「うん・・頑張らなきゃなぁ。」
産まれたばかりなのに、ママは驚くほどに成長してる。
表情からもわかるよね。
いい顔だ。
迷ってた時の顔とは全然違う。
嬉しいよ、A。
今日が、7人で迎えられて。
Aが笑っててくれて、僕は嬉しい。
雅「抱っこさせてよぉ!!
ずるいよぉ!! ひどいよぉ!!」
潤「ちょっ、泣かないでよ(笑)
わかった、わかった。ほら、落とさないでよ?」
雅「やったぁ〜
ゆいちゃん、まーくんだよ。」
智「あんなに必死にならなくても、
ゆいはいなくならないのにね(笑)」
「ね〜(笑)」
雅「うわっ!! わっ、わっ!!
握った!! 俺の指ー!!」
「ふふっ。
・・・ねぇ・・智にぃ?」
智「なぁに?」
「・・は・・・だね。」
智「んっ?」
「ゆいは・・・
・・・幸せ者だね。」
智「・・ん。そうだね。」
「私もね、今、すごく幸せ。」
智「僕も、幸せだよ。」
Aが幸せだと、僕も幸せになるよ。
Aが笑うと、僕も笑顔になる。
Aの周りは笑顔で溢れてるからね。
幸せ連鎖。
これからもたくさん繋げて、
おっきい幸せ、作っていこう。
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作者名：ちさ
| 作成日時：2013年3月23日 18時
