麻酔のない手術 2 (和) ページ3
和也Side
翔「ロマン?(笑)
そもそもさ、ロマンってそういう使い方するの?」
智「さあ(笑)
いいんじゃない? 雅紀なりのロマンがそこにはあるんだよ。」
翔「まぁ、そうか。
そういうことにしておきましょう(笑)
ほら雅紀、うちわであおぐのは任せるから。
ちゃんと火つけてくれよ〜?」
雅「よっしゃっ!! 任せなさい!!」
結「ねー、ゆいは〜?
ゆいもパタパタしたーい。」
翔「ダメだよ、ゆいちゃん。
火傷したら痛い痛いになっちゃうからね。」
結「やぁ〜だぁ〜。
ゆいもやるぅーー。」
智「じゃあ結心ちゃん、一緒にお米しゃかしゃかしようか。」
結「やだ!! こっちがいい〜」
駄々をこね始めた結心に、みんな困り顔。
このくらいの子は、言い出したら聞かないからなぁ〜
いろいろ好奇心が出てきたのは、いいことなんだけどね。
和「ゆいちゃん、あっちにブランコがあったよ?
和くんと一緒に遊びに行ってみようか。」
結「ぶらんこ〜? いくぅ♪」
翔「悪いね、和。よろしく。」
和「いいえ。
じゃ、ちょっと時間つぶしてくるね。」
泣き出す前に手を打たないと、と思っていた時、
ロッジの近くに木でできたブランコがあったことを思い出した。
結心にとってはお手伝いより、ブランコの方が魅力的だったみたいだね(笑)
素直に行くって言ってくれてよかったよ。
結「かじゅくん、ぶらんこどこぉ?」
和「ん〜? もうすぐだよ。」
結「ふーん・・・あっ、おはながあるぅ!!」
花? こんな季節に花があるの?
結「かじゅくん!! はーく!!」
和「待って、待って。
走ったら危ないよ。」
結心は俺と握っていた手を離して、一目散に走っていった。
道が砂利だから、転びやすいんだって。
気を付けないと、怪我しちゃう。
結「かじゅくん!! おはな!!」
あぁ、なんだ。それはね、雑草だよ、ゆいちゃん。
たしかに、小さな花がついてるけどね。
和「ほんとだ、かわい・・・ちょっ、ゆい!! 危ない!!!」
.
結「う・・うえぇぇぇん!!」
和「っく・・・うっ・・うぅっ」
見えなかった・・・あんなところに斜面があったなんて・・・
足を滑らせて傾いていく結心の体。
俺は無意識に走り出して、結心に抱きついた。
だけど勢いのついた体は、うまく止まってくれなくて・・・
斜面の下で泣き喚く結心。
俺は足に感じる激痛で、まったく動くことができなかった。
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作者名：ちさ
| 作成日時：2013年2月14日 22時
