歯医者さんは嫌われ者? 3 (ママ・結心) ページ16
和也Side
雅「おっきくお口開けて?」
和「ん・・・・・」
雅「はいはい、痛くないですよ。
ね〜? 怖がらないで〜。あーんってしてね〜。」
和「ちょっ・・・///」
雅「しょうがないだろ〜?
ゆいちゃん見てるんだから。
そんなに顔を赤くする前に、お口を開けましょうね。」
あぐらをかいた雅にぃの足の間にすっぽりと頭をおさめられて、
完全に逃げ場を失った俺。
子供向けの笑顔に頬を撫でながらの優しい声・・・
さすがに恥ずかしくなって目をつぶると、
雅にぃの指が口の中に入ってきて、
あっという間にミラーが口の中をぐるっと一周した。
雅「はい、おしまい。
今日はずいぶん上手にできたね。
いい子いい子(笑)
よし、智にぃに交代。」
ちょっとビクビクしてたけど、
どうやら歯医者さん行きは免れたらしい。
寝ころがってゆいをお腹の上に乗せ、
素直に口を開けている智にぃも、虫歯はなかったみたい。
潤の番になったころにはゆいちゃんもだんだんと余裕が出てきたらしく、
雅にぃと一緒に口の中を興味津々にのぞいていた。
雅「はい、潤も異常なし!!
どう、ゆいちゃん。
痛いことなんにもしてないでしょう?」
ミラーと自分の手を消毒しながら、ニコッと微笑みかけている雅にぃに、
ゆいは不安そうな顔をしながらもうなづいていた。
雅「はい、次、翔にぃ。
・・・ん? どうした?
怖いの? 翔ちゃん。リラックス。」
翔「は!? んなわけないでしょ!!
まったく・・・あー。」
意外と歯医者さん嫌いの翔にぃ。
これだけ観客のいる前ではさすがに弱いところは見せないらしく、
素直に大きく口を開けていた(笑)
雅「しょうにぃ・・・・」
翔「へ・・・?」
雅「残念ながらアウトでーす。」
翔「え? まっ、まじで!?」
雅「うっそ♪
大丈夫。なんともないよ。」
翔「なんだよ・・・・心臓に悪い・・・」
雅「ふふっ。
はい、じゃあ次はAやろうか。」
ずっとソファーに座りながら膝を抱えていたAは、
雅にぃに呼ばれてもなかなか動こうとしなかった。
泣きそうな顔をしているAを、智にぃが迎えに行く。
翔「和、潤、ちょっと頼みたい仕事があるからさ、一緒に来てくれない?」
潤「え?・・・あっ、うん。」
こんなに大勢に見られていたらよけいに緊張してしまうだろう。
だからこその翔にぃの言葉。
俺らは智にぃに目配せをすると、そっとリビングを出た。
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作者名：ちさ
| 作成日時：2013年2月14日 22時
