麻酔のない手術 12 (和) ページ13
翔Side
雅「う〜わっ、なにこの肉!!
めっちゃうまいよ!!
ほら、和。食べてみな。あーん。」
和「あー。
んっ、ほんとだ!! うま〜い♪」
無事に病院を退院した和は、おいしそうに肉を頬張っている。
あのあとすぐに近くの大きな病院に運んで、
再手術をしてもらった和。
術後、状態が安定してきたころ、俺の病院に転院してきた。
あんなに痛い手術を耐え抜いたというのに、
リハビリの痛みには耐えられなかったようで、
ちょっと動かしただけですぐに、
“もう無理、いやだっ”って泣いて、リハビリの先生を困らせてた。
それでも、毎日毎日痛いリハビリを頑張ってくれたおかげで、
長い時間寝ていた割には体力や筋力の低下も最小限に抑えられて、
退院してからも問題なく日常生活を送れている。
医師としての復帰は、もう少しかかるけどね。
今は傷口も塞がったけど、
まだまだ痛むようで、松葉づえを使って移動している和。
なんだか最近、思うように歩けないことにイライラしてるようで・・・
そんな和をリフレッシュさせようと、
俺らはあの日できなかったバーベキューを実現させたんだ。
和「しょーにぃー、えび食べたーい。」
翔「はいはい。じゃあこっちまで取りにおいで?」
和「うぅー、もういじわるぅー」
翔「これも大事なリハビリです。
ほら、おいで?」
いちいち松葉づえを使うのが面倒くさい和は、
本当に必要なときにしか歩こうとしない。
早く復帰したいなら、歩きなさいよって言ってるのに。
翔「かず〜、早くしないと俺がえび食べちゃうよ〜」
和「あー、だめだめ!! すぐ行くから!!」
そういって立ち上がった和は、そのまま杖を使うことなく、
足を引きづりながらも俺のところまでトコトコとやってきた。
いきなり和が歩くもんだから、みんな口を開けてポカーンとしている。
俺もびっくりして、危うくえびを落としそうになってしまった。
和「ん?・・・しょーに?」
翔「かず・・・・・おまえ、いつのまに・・・」
和「へへっ。昨日ね、練習したの。
外で歩けないと不便かなぁ〜と思って。
うまく歩けてた?」
翔「あっ、あぁ。
すごいよ、和。やったなぁ!! っはは」
俺に頭をぐしゃぐしゃに撫でられている和は、
えびを頬張ってもぐもぐしながら、嬉しそうに笑っていた。
復帰まで、あともう少し。
頑張り屋さんの和なら、完全復活の日も、きっと近いよね。
歯医者さんは嫌われ者? 1 (ママ・結心) *リク→←麻酔のない手術 11 (和)
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作者名：ちさ
| 作成日時：2013年2月14日 22時
