極細の凶器 3 (雅) ページ3
潤Side
帰宅して玄関に荷物を置くと、その傍らに紙切れが落ちているのが目に入った。
それがただのゴミではなく、意図して置かれたものだと気づいたときにちょっと溜息…
こんなものではなく携帯に連絡をくれればすぐに帰ってきたのに。
雅「あ、おかえり。見てくれた？」
急いで医院に向かって診察室をのぞくと、そこにはすでに談笑する二人の姿があった。
『紙を見たからここに来たんだ』と当たり前の言葉を飲み込んで頷き、テーブルの上の治療器具にチラッと目をやる。
基本のセットに加えて注射器にメスに赤くなったガーゼ…
これはただの検診ってわけではなさそうだ。
松「ごめんな、潤。せっかくの休みに。
今雅紀に診てもらったところでさ」
潤「おはようございます。
えーっと…今日はどんな…」
もうおはようなんて時間ではないけれど挨拶をしながら軽く頭を下げ、聞いていいものかと様子を窺いながら雅にぃの方に顔を向ける。
「雅紀から何も聞いてないのか？」という松岡先生の言葉に返事をすると、ようやく今の状況を教えてもらうことが出来た。
もう…そういうことまでちゃんと書いておいてよ雅にぃ…
まあでも家を出る段階では『松岡先生が急患で来る』ということしかわからなかっただろうし。
紙にそれだけしか書いてなかったとしても雅にぃは悪くない…か。
松「恐ろしいな、歯痛ってのは。
薬も効かなくてイライラしてくるしよ…家の壁殴ってやろうかと思った」
雅「ええっ。ダメですよ、大事な手なんですから」
潤「大人でも泣きながら来院する人もいるくらいですからね。
今はどうですか？だいぶ楽になりました？」
松「ばっちり。もう治っちゃったかな〜」
ニヤ〜と笑った先生に、雅にぃが再び慌てた声を出す。
先生だって本気で言っているわけではないと思うけどな。
雅「今はいいかもしれませんけど、きちんと根本的な治療をしていかないと。大事な自分の歯を失う可能性だって」
松「はいはい。わかってるよ、ちゃんと治すって。
…その代わり」
雅「…その代わり？」
松「よろしく。頼んだぞ」
左右にいた俺と雅にぃの顔を交互に見て頭を下げてくれた先生に、俺ら相手にそんなこと！と慌ててしまう。
でも、治療を任せてくれたことは正直嬉しい。
うちなら多忙な先生の都合に合わせやすいしね。
これは治療を進めていく上で俺らにとってもメリットだ。
朝でも晩でも休日でも、いつでもいいですから。
遠慮なく連絡くださいね。
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ちさ(プロフ) - 光さん» 最近お話が書けず落ち込んでいたので…光さんの温かいお言葉に泣いてしまいそうです…。そうですね、もう長いこと暗い話題ばかり。きっと自覚している以上に身体も心も疲れてしまっていると思います。光さんにも少しでも気が休まる瞬間があれば…と願っています (2020年4月3日 22時) (
レス) id: 4da98155f9 (このIDを非表示/違反報告)
光(プロフ) - 気持ちが滅入るニュースばかり、自分が感染していないか、人に感染していないか、そんな緊張感で気持ちも頭も限界なのに、ストレス解消する方法もない。そんな世の中になってしまいましたね。ゆっくりしてください。いつまでも待っています。先が見えず辛いですね・・。 (2020年4月3日 22時) (レス) id: 6f1bc6d6bd (このIDを非表示/違反報告)
ちさ(プロフ) - フェレットさん» こんばんは、フェレットさん！今回も読んでいただきありがとうございました。妹ちゃんもようやく大きな悩みから解放されてホッとしたと思います。長いこと時間がかかりましたからね…妹ちゃんもお兄ちゃんも、お疲れさまという気持ちです (2020年2月29日 21時) (レス) id: e50f5e6951 (このIDを非表示/違反報告)
フェレット(プロフ) - 更新お疲れ様です！今回もお兄ちゃん達の優しさが沁みました、最高でした (2020年2月28日 6時) (レス) id: 88923771a6 (このIDを非表示/違反報告)
ちさ(プロフ) - すーたんさん» お久しぶりです、すーたんさん！今回も読んで頂きありがとうございます。そ、そんな…一度押すだけだって手間なのに…嬉しい…すごく嬉しいです。そんなふうに思って頂けているだけで本当に幸せですし、本当に感謝しています。ぜひ、これからもよろしくお願いいたします (2020年1月16日 22時) (レス) id: f864660af2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちさ
| 作成日時：2019年12月7日 22時
