どたばた夏休み 1 (ママ) ページ8
和也Side
雅「…んっ！んーっ！」
早朝から痛みに震える雅にぃに、俺は決断を迫られていた。
和「ごめんね、もうやらないから。これ以上は…やめておこう」
膿を出す手を止めてもなかなか起き上がれないくらい、雅にぃには負担がかかり体力も消耗した。
一回くらいじゃまた痛みだすだろうとは思っていたけど、その予想はできれば外れてほしかった。
実際には思った通りのことになってしまったわけで…
麻酔ももう使い切っている。
今俺ができることなんて限られているから…
ここにある器材では洗浄も足りないし、必要な薬剤もそろっていない。
全てにおいて不十分なんだ。
和「頑張ったね…頑張ったけど…
でも…やっぱり、この状態だとこれ以上良くなるとは思えないんだよ」
雅「…い…じょぶ…だって」
和「…うん…大丈夫だよね、雅にぃは強いから」
雅「……かずっ、俺はっ」
俺の言葉の意図をはかりかねたのか数秒黙り込んだ雅にぃも、すぐに慌てたように顔を上げて潤んだ目を向けてきた。
Tシャツを脱いだまま丸出しだった肩にバスタオルをかけてあげながら、一呼吸おいて首を一度横に振る。
和「もう十分楽しんだよ。
夏休みはこれで終わっちゃうけど、またここに来るチャンスはこれからいくらでもある」
雅「…でもっ」
和「今が大事なのはわかるよ。でも明日も明後日もその先もずっとあるわけだから…それだって今日と同じくらい大事じゃない？」
雅にぃを必要とする人は、毎日たくさんいるはずなんだ。
ここで無理をして寝込むようなことがあればきっと、自責の念でこれまでの楽しい思い出も後悔するだけになってしまう。
どれだけ痛くても雅にぃなら笑顔で我慢できるんだろうけど、でも俺は引く決断をすることだってできると思ってる。
雅にぃは強いからね。
雅「…ごめん」
和「んーん。
ほら、服着て早く戻ろう。そろそろ二人とも起きてるかも」
しばらく考え込んでいたようだけど、どうやら気持ちは固まってきたみたい。
痛くて叫んじゃうかもしれないからって、雅にぃ希望の車内での処置を終え。
急いで片付けを済ませて、足早に部屋に戻った。
.
.
和「あっ、おはよう。よく眠れ……た？」
少し時間がかかりすぎてしまったか…やっぱりAはもう目を覚ましていた。
でも…どうも様子がおかしい…
今にも泣き出しそうな顔に、何があったのかと不安で駆け寄った。
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ちさ(プロフ) - すーたんさん» こんばんは、すーたんさん。今月も読んでいただきありがとうございます！私のお話のテーマでもある『温かい家族の絆』を今回も感じていただけたらと思いますので、ぜひ最後まで読んでいただけたら嬉しいです (2019年2月10日 22時) (
レス) id: e707ed227e (このIDを非表示/違反報告)
ちさ(プロフ) - 光さん» こんばんは、光さん。そんなに昔から読んでいただいているんですね！ありがとうございます！私も、お仲間がいて嬉しいです。ピーマンは好き嫌いが分かれますからね…。肉厚ピーマンの揚げたて天ぷら…想像したらお腹がすいてきてしまいました 笑 (2019年2月10日 22時) (レス) id: e707ed227e (このIDを非表示/違反報告)
すーたん(プロフ) - 今月もお疲れさまです！またまた智にぃの優しさを始め家族の温かさが見られる日が来るとは！一週間楽しみにしていますね！！ (2019年2月10日 0時) (レス) id: 1b24c9fc31 (このIDを非表示/違反報告)
光(プロフ) - こんばんは。もう何年も、楽しみにさせていただいています。わたしも幼少期からピーマンの天ぷら大好きです！いやぁ、お仲間がいてくださって嬉しいです。続き、楽しみにしております。 (2019年2月10日 0時) (レス) id: 6f1bc6d6bd (このIDを非表示/違反報告)
ちさ(プロフ) - ここなっつさん» こんばんは、ここなっつさん。待っていた、のその一言が本当に本当に嬉しいです、ありがとうございます。明日も更新しますので、またのぞきにきていただけたら嬉しいです (2019年2月9日 23時) (レス) id: e707ed227e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちさ
| 作成日時：2018年10月13日 21時
