『怖い』の理由は『痛い』から？ 10 (ママ) ページ35
翔Side
痛い痛いと泣いて逃げようとする力は相当なもので、腕を押さえる智にぃも身体を支える雅紀もかなり力を込めていた。
座り込もうと脚の力を完全に抜いているもんだから、雅紀なんてほぼ抱き上げてやっているようなもので。
いくら小柄だとはいっても、脱力した大人を両腕で持ち上げ続けるのは容易じゃない。
ほんの数十秒、洗浄が終わった頃には雅紀は息を切らしているほど。
ただそれ以上に、Aの呼吸は乱れていた。
「いたいっ…いたっ…」
雅「痛かったね。よく頑張ったよ」
智「ちょっと休憩しようね。ゆっくり息を吸って？」
汗をにじませている雅紀も休むことはなく、智にぃと一緒にAを落ち着かせようと涙で濡れた顔を拭ってあげている。
こんなに取り乱すなんて珍しい。
でもそうか…
ちょっと切りました〜なんて程度の傷じゃない。
ザックリと皮が剥がれて大量に出血している自分の指を見てしまっているんだから。
冷静でなんかいられないよ。
翔「今指が触られている感覚はある？
翔にぃが触ってるのわかるかな？」
「っ…いやっ」
翔「よくわからない？
じゃあちょっとお話をしようか。ね…A」
「いやっ！…やだぁっ…」
久々の本気の拒否っぷりに苦笑いをしてしまったけど、このままってわけにもいかない。
指の伸展はできていた…腱はおそらく無事だ。
神経はどうだろうな…
だいぶ深いから心配だけど、今は確認をしようにも問いに答えてくれそうにない。
翔「このままじゃ寒いよな…上着持ってくるか」
雅「あ、待って。俺が行ってくるよ」
翔「いいの？ありがとう」
傷の状態と治療の必要性は説明をしたけど、このあと何時間待てば納得してくれるかわからない。
病院に連れて行かれると気づいたAは智にぃの腕の中で「行きたくない」って泣いているけど、そのことに俺は少しホッとした。
俺は敵でもいいから。
一人でも縋れる人がいれば、気持ちの面でかなり楽になるはずだ。
智「…怖い？
そうだよね、もう嫌だよね」
止血ができているか確かめようとしたとき、Aから「怖い」「もう嫌だ」って聞こえてきて一瞬手が止まった。
…痛いこと、続いてるもんな。
この前だって歯医者で嫌いな麻酔して、怖くても頑張って乗り越えたばかりなのに。
またすぐにこんなこと…
できれば怖い思いはさせたくない。
でも、やらないと。
それが結果的に、最も早く痛みをとってあげる方法だと思うから。
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琴子(プロフ) - 大丈夫ですか？どうしたのかな？と思っていましたが、体調崩されていたとは…(>_<)辛いですね。お大事になさってくださいね(返信不要です。また、ゆっくりボードに送るのでその時にお話出来れば^^)また(^-^)/ (2018年4月5日 10時) (
レス) id: cc1132a1bd (このIDを非表示/違反報告)
琴子(プロフ) - ちささん» いえいえ、いつもこちらこそ^^さっそく読ませて頂いてます！はい！嬉しくお待ちしていますが急ぎませんのでお時間のある時にで構いません^^また〜(^-^)/ (2018年3月31日 23時) (レス) id: cc1132a1bd (このIDを非表示/違反報告)
ちさ(プロフ) - 琴子さん» 琴子さんこんばんは。いつもこちらにまでお知らせをくださってありがとうございます。ボードの方、更新が終わってからゆっくりお返事させていただきます。新しいお話、お時間がある時に読んでいただけたら嬉しいです (2018年3月31日 22時) (レス) id: 1e80dcb578 (このIDを非表示/違反報告)
琴子(プロフ) - 少しボード入れました。よろしくお願いします。 (2018年3月31日 6時) (レス) id: cc1132a1bd (このIDを非表示/違反報告)
琴子(プロフ) - ありがとうございます！ボード拝見しました^^連絡、お返事遅くすみませんm(_ _)mお返事入れられましたら、またこちらにお知らせします。また(^-^)/ (2018年3月29日 14時) (レス) id: cc1132a1bd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちさ
| 作成日時：2017年12月16日 22時
