痛いお正月 3 (雅) ページ15
潤Side
大きな音で目を覚ました和にぃは、床に散らばるナッツと転がっている皿に手を伸ばした。
反射的にそうしたんだと思う。
だけど、同じタイミングで雅にぃまで拾おうとしたから…
翔「大丈夫か？どこ痛い？」
智「雅紀は平気？こっち来れる？」
3人が一緒に座ったままだと狭いから、雅にぃはもう一つのソファに。
口を押さえて唸っている和にぃは、顔に触れようとする翔にぃの手から逃げようと何度も首を振っている。
雅にぃはどこをぶつけてしまったんだろう。
顔を歪めているから、どこかが痛いのは確かなんだ。
聞いてみても、「大丈夫」と言うだけだけど…
一応何か冷やすもの、持ってきた方がいいな。
翔「ほら和。痛いんでしょ？見せてみ？」
和「ん…いいっ、よっ…やだっ」
急いで保冷剤とタオルを手に戻ると、未だに翔にぃと和にぃが格闘していた。
なぜそんなに逃げるのか…
寝ぼけているのか、眠いせいか…
ついにはソファから床に落ちて顔を隠すように丸まってしまった。
翔「…酔ってんなぁ」
そうか、それもあったんだ。
なんとしてでも顔を見せない強固な守りに、翔にぃは苦笑い。
床に転がる和にぃを見て、智にぃまで『あらあら』って困った顔をしていた。
和「…は…しゃ…いかな…」
潤「え…？なに？」
なにやらボソッと一言喋ったと思ったら…
翔「誰も歯医者に行くなんて言ってないよ。
連れて行かれると思った？」
『歯医者には行かない』って。
それで逃げようとしていたのか、って翔にぃと頷きあった。
翔「どうした、歯が痛いの？ぶつけた？」
和「うぅ…ちがうってぇ…あぁ！やだ！」
そうだよな…そう考えてしまうよな。
痛いから、歯医者に連れて行かれるなんて考えになったんじゃないのか、って。
翔「よーしよし、嫌じゃないよ。ね〜和くんね〜」
このままでは埒が明かないと思ったのか、翔にぃは強行突破。
ゴロンって転がして仰向けにさせ、腰の上に跨って身体を押さえてしまった。
だいぶ強引に見えるけど、片膝を立てているから体重はかけていないし、頭の下にクッションをいれて痛くないようにしてあげているし、身体に触れる手の動きは常にソフト。
後頭部を手のひらで支えて、抱き寄せるように頭を持ち上げる動作は、このままキスでもしそうなほどの慎重さだったけど…
でも今はこうして落ち着かせるのが最善だと思う。
反応が鈍くてすぐにでも寝てしまいそうな人を、言葉で説得するのは難しいから。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1530人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
琴子(プロフ) - 大丈夫ですか？どうしたのかな？と思っていましたが、体調崩されていたとは…(>_<)辛いですね。お大事になさってくださいね(返信不要です。また、ゆっくりボードに送るのでその時にお話出来れば^^)また(^-^)/ (2018年4月5日 10時) (
レス) id: cc1132a1bd (このIDを非表示/違反報告)
琴子(プロフ) - ちささん» いえいえ、いつもこちらこそ^^さっそく読ませて頂いてます！はい！嬉しくお待ちしていますが急ぎませんのでお時間のある時にで構いません^^また〜(^-^)/ (2018年3月31日 23時) (レス) id: cc1132a1bd (このIDを非表示/違反報告)
ちさ(プロフ) - 琴子さん» 琴子さんこんばんは。いつもこちらにまでお知らせをくださってありがとうございます。ボードの方、更新が終わってからゆっくりお返事させていただきます。新しいお話、お時間がある時に読んでいただけたら嬉しいです (2018年3月31日 22時) (レス) id: 1e80dcb578 (このIDを非表示/違反報告)
琴子(プロフ) - 少しボード入れました。よろしくお願いします。 (2018年3月31日 6時) (レス) id: cc1132a1bd (このIDを非表示/違反報告)
琴子(プロフ) - ありがとうございます！ボード拝見しました^^連絡、お返事遅くすみませんm(_ _)mお返事入れられましたら、またこちらにお知らせします。また(^-^)/ (2018年3月29日 14時) (レス) id: cc1132a1bd (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ちさ
| 作成日時：2017年12月16日 22時
