胃腸炎 4 (雅・和) ページ36
翔Side
翔「はい、じゃあここに座ろうね。」
和「んっ・・・・だれ・・・・・しょーにぃ・・」
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雅紀を背もたれのある近くのイスに座らせておいて、
ビクビクしている和の背中に手を添えながらベッドの端に座らせた。
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見知らぬ先生を目の前にして、和は不安でしょうがないみたい。
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俺も和の横に座って肩を抱いてやってるけど、異常なくらい体硬くなってるもんね。
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松「よしっ、じゃあ胸の音聞くからちょっと服上げようか。」
和「あっ・・んんっ・・・んー・・・」
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松「あぁ・・ごめんなぁ。
そうか・・・・・うん・・・・・よしっ。」
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先生の手が触れた瞬間、怯えたように縮こまる和に困ったような顔をした松岡先生は、
和の様子を見ながら数回うなづいた。
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松「泣かせちゃったなぁ〜
先生のこと怖いか?」
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あっ、声が変わった・・・
さっきの一瞬で、対応の仕方を変えてくれたのか・・・
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和「ん・・・・・・・・ｺｸﾝ・・・・」
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松「ははっ。素直でいいね。
そっか。怖かったか。
まぁ、そんなに緊張しないで。
隣にお兄ちゃんもいてくれてるし。なぁ、翔。」
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翔「うん。ちゃんと和についてるよ。
松岡先生優しいから。 怖くない。ね?」
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俺の顔を不安そうな顔でみつめてきた和の背中をポンポンとたたいてやると、
さりげなく服をまくり上げて隙間を作った。
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松「よしっ。ほら、ポンポンってやるぞ?
え〜っと・・・お名前は?」
和「かず・・・・なり・・・・・」
松「かずなり・・・和くんなぁ。
はい、じゃあ動かないで。息止めないでよ?」
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聴診器を手の甲にポンポン当ててくれたり、名前を聞いて気を紛らわしてくれたり・・・
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あの松岡先生がここまで子供の扱い・・・じゃなかった(笑)
子供みたいに怯えている和の扱いを上手くできるとは。
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ここまで対応が慣れてるって、もしかして昔小児でもやってたのかな・・・
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和「んん・・・・んっ・・・ふんっ・・ふぇ・・・」
松「はいはい。泣かない。
痛くないだろ〜?
ほら、翔。ボーっとしてないで涙拭いてやれ。」
翔「あっ、はい。すいません。」
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聴診器を耳から外しながらティッシュを手渡してくれた松岡先生は、
次にペンライトと舌圧子を取り出した。
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それを見た和の体が小さくビクッと動く。
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先生それは・・・たぶん泣きますね・・・
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作者名：ちさ
| 作成日時：2012年12月8日 20時
