生理痛 9 (ママ) ページ31
ASide
大「じゃあまずは血液検査からしようか。
どうする? お兄さんに来てもらう?」
「ん・・・・・いえ、だいじょうぶです。」
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智にぃがいなくてもいいって言っちゃったけど、やっぱり怖いなぁ・・・
針を手に迫ってくる看護師さんを見て、心臓がドクドクと速さを増していく。
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あっ、これ・・・無理かもしれない・・・
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看「はい、チクッとしますよ〜」
「いっ・・ぁっ・・・・ﾝｯ・・」
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もうすぐ腕に刺さるというところで、
身体がビクビクっと震えて腕を引いてしまいそうになった。
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その時・・・・
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『がんばれ・・・』
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「えっ・・・・・」
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この場所にいるはずのない、智にぃの声が聞こえて驚いているうちに、
すでに腕からは赤い血が引かれていた。
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看「はい、いいですよ。」
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腕にテープがはられて後ろをパッと振り向くとそこには智にぃの姿が。
さっきの声は聴き間違えじゃなかったんだ。
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智「Aすごいね。
一人で注射頑張れるようになったんだね〜。
あとでみんなに報告しなきゃ(笑)」
「なっ・・・なんで、智にぃ・・・・」
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大「次の検査は、お兄さんと一緒の方がいいでしょ?
さっき待合室まで迎えに行ったら、智さんずっとソワソワしてるんですもん。
そんなに心配しなくたって、僕は大事な妹さんをいじめたりはしませんよ(笑)」
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智「だってぇ〜・・・
泣いてたらどうしようとか、怖くて震えてたらどうしようとか、心配だったんだよ。」
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大「ふふっ。
まったく、和さんといい、皆さんほんとに心配性ですね。
大丈夫ですよ。ちゃんと頑張ってくれてました。
ねぇ、Aちゃん。お兄さんなんかいなくたって平気だよねぇ。」
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「えっ・・・・それは・・・・」
智「そんなことないよねぇ。Aと僕はずっと一緒だもんね。」
「う・・・・・・うん///」
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大「あはは。
こりゃこっちに勝ち目はないや(笑)」
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この歳になってまだ兄に付き添ってもらってるなんて、
そんなの世間から見ればおかしいんだろうけど・・・
.
でもやっぱり、私にはこの手がないとダメなんだ。
どんなに怖いことでも、嫌なことでも、“大丈夫だよ”って優しい声だけで救われることもある。
.
.
赤くなっている私の頭を、昔と変わらず優しくポンポンって撫でてくれる智にぃは、
相変わらずの笑顔を私に向けてくれていた。
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作者名：ちさ
| 作成日時：2012年12月8日 20時
