生理痛 8 (ママ) ページ30
ASide
大「おぉ〜、大きくなったねぇ。
僕のこと、覚えてる?」
「おぼえて・・・・ます・・・・」
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大「ははっ。
そっか、覚えててくれて嬉しいよ。
よしっ、じゃあそこに座って。
まだ何もしないから、楽にしてていいからね〜」
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先生と2人きりの診察室。
どうしよう・・・・いったいどこを見てればいいんだろう・・・
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私は先生促されるままイスに座ると、
手を膝の上で組んで落ち着かない目線を足元にうつした。
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大「今日はお兄さんと一緒に来たの?」
「えっ・・・・・あぁ、はい。」
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大「優しいお兄さんがいてうらやましいなぁ〜
僕なんてうるさい姉貴しかいなかったからさぁ。
風邪なんか引いたって、“寝てれば治る!!”って、看病もしてくれないの。
そのくせ、自分が風邪ひいたら、“家まで診にきて〜”ってさ。
都合良いよね(笑)」
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ペンを指でいじりながらにこやかな表情で笑っている大倉先生は、
まったく診察を始める様子はない。
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なんだかこの雰囲気、おにぃと似てるかも・・・
前の時は緊張しすぎて気付かなかったけど、
後ろに智にぃがいなくても、この先生なら大丈夫かもしれない。
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「あの・・・・・しんさつ・・・・」
大「ん? あぁ、そうだね。そろそろはじめようか。」
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ニコッと笑った大倉先生は、事前に書いておいた問診票を手に取って、じっとみつめていた。
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大「生理痛が酷いのかぁ・・・・
Aちゃんは・・・あっ、もう“ちゃん”なんていう年じゃないか。」
「いえ・・・・だいじょうぶです。」
大「なら・・・・・・じゃあ、Aちゃん、お腹はどこがどんなふうに痛くなる?」
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「お腹の下の方が、ぎゅって感じに・・・・
あっ、でもズキズキ痛いってわけでもないんですけど・・・・」
大「うん・・・・ちょっと説明しにくい?」
「はい・・・・・すいません。」
大「いやいや、大丈夫だよ。
じゃあねぇ、今、男性とは・・・・」
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あぁ、智にぃがついてこなかったのは、これが理由なんだ・・・
私が質問に答えやすいように、気を使ってくれたんだね。
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最初“一人で行っておいで”って言われたときは
“なんで・・・”って思ったし、すごく不安だったけど・・・
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.
でもこれも全部智にぃの優しさだったんだなぁ・・・・
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作者名：ちさ
| 作成日時：2012年12月8日 20時
