パパが治してあげようね *ARS* 2 (ページ19)

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喘息、再々発!!　7　(翔) ページ19

智Side

智「お願いだから、手だして?
すぐ終わるから。ちくーってするだけ。
すぐだよ、すぐ。約束するから。」

翔「んーん・・・ｹﾞﾎｹﾞﾎｯ・・・」

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頼むよ・・・点滴くらいさせてよぉ～

なんか怖い咳してるしさぁ。

また発作起きたら大変なんだよ。

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智「昨日みたいに苦しい思いしたくないでしょ?
ちょっと頑張っとこう。」

和「すぐ終わるって、智にぃも言ってるしさ。
ちょっとの我慢だよ、翔にぃ。頑張ろうよ。」

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様子を見にきてくれていた和にも手伝ってもらって説得を試みるものの、

翔は布団にもぐったまま出てこない。

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こうなったら強行突破か・・・と、腕を掴んで外にだそうとしたとき、

翔がびっくりするような言葉を口にした。

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翔「あっ!! もうっ、やだって言ってるじゃん!!
もういいっ!! 苦しくなってもいいっ!!」

智「・・・・・・・・・。」

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僕の握りしめた拳が、小刻みに震えていた。

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目を閉じて大きく息を吐きだしてみるものの、

僕の中で湧き上がってくる感情を抑えることはできない。

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苦しくなってもいいなんて・・・そんな・・・

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翔「もう出てってよ!! ｹﾞﾎｹﾞﾎｯ!! ｹﾞﾎｹﾞﾎｹﾞﾎ!!」

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翔の激しい咳が病室に響く。

それを聞いた僕は、つい、吐き出すように言ってしまったんだ・・・

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智「もうっ、いい加減にしなさい!!」

和「さっ・・・さとにぃ?」

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智「誰のためにやってると思ってるの!!

翔が倒れて、どれだけの人が心配したと思ってるの?

苦しくなってもいいなんて、どうしてそんなこと・・・

僕が・・・僕が、どれだけ・・・・」

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和「智にぃ・・・」

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じわっと滲んだ視界の中、翔の方見ると、翔はなおも布団にもぐったままだった。

そんな翔に、僕はさらに興奮を増していく。

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智「僕、調子が悪かったらすぐに教えて言っておいたよね?

どうして約束を守ってくれないの?

自分の身体を守ってあげようとは思わないの?

翔!! いつまでも潜ってないで、ちゃんと僕の顔を見なさい!!」

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強引に布団をはぎ取って翔の顔を両手で掴むと、

翔の真っ赤に充血した目からは大粒の涙がボロボロと溢れ出ていた。

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ハッとした・・・

しばらくは翔の目をみつめたまま動けなかった。

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僕は、フラフラと翔から離れると、近くにあったイスに、ドサッと座り込んだ。