晴れない視界 13 (和) ページ48
潤Side
潤「みんな何か飲む？アイスティーいれようか？
ゆいちゃんはりんごジュースかな〜？」
雅にぃがリビングを出て行ってから、少し汚れていたテーブルの上を片付け、喉が渇いたからキッチンに行った。
そんな俺を、翔にぃは首を傾げながら目で追っている。
翔「あのさぁ、潤…」
潤「ん？あぁ、メールのことなら嘘だから」
コップを出しながら軽く言ったら、予想通りのリアクションをしてくれた。
そんなに驚かなくたって、ちょっと考えればわかるでしょ？
智にぃはもうわかってくれてるよ。
智「和は、何かきっかけが欲しかったんじゃないかな」
翔「きっかけ…あぁ。
でもあれ、雅紀も分かってなかったと思うよ」
智にぃのナイスなヒントのおかげで、翔にぃもようやく気づいたみたい。
今行くべきは俺じゃないんだよ。
俺では意味がない。絶対に雅にぃじゃなきゃ。
本当に歯が痛かった可能性もあるけど、十中八九俺の予想通りだと思ってる。
雅「えっ！？とるの！？」
それでももしかしたらと思って部屋を覗きに行ってみたら、ベチンといい音が鳴っていた。
「もうやりたくない？」って、雅にぃのゆったりとした声は聞こえてくるけど、和にぃはなかなか喋らない。
雅「じゃあまた後でにしようか」
そう言って、立ち上がったとき
和「まっ、雅にぃ！」
離れるのを引き止めようとしたのか、布団の中から手が伸びてきてTシャツの裾がぎゅっと握られた。
和「おこ…ってる？」
ほら、やっぱりそうだ。
雅にぃに任せて正解だった。
雅「怒る？どうして？
俺、怖い顔しちゃったかな…だったらごめっ」
和「そうじゃなくて！だから…その、昨日の…」
二人とも、優しすぎるから。
お互いがお互いを傷つけてしまったと、気にしていたんだよ。
申し訳なさそうに「ごめんね」と目を伏せた和にぃに、雅にぃはニコーっと笑いながら「気にしないで」って前髪を二度ぽんぽんとしてあげていた。
普段は歳の差関係なく仲の良い二人だけど、こういう時はしっかり『兄貴と弟』になるから不思議だ。
雅「え〜、じゃあ歯が痛いのは嘘だったの？」
スッキリとした顔をしている二人は、笑いながら楽しそうに話している。
話題が『目が治ったらどんな美味しいものを食べに行くか』に移ったところで、そっとドアを閉めて階段をおりた。
潤「紅茶、二人分追加しないと」
とびきり美味しいのをね。
リビングに向かう足取りは、久しぶりにとても軽やかだった。
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ちさ(プロフ) - ユーラシアさん» 楽しんでいただけているようでとても嬉しいです。すごく力になりました！遅くなってしまいましたがPart17に移行して新しいお話も更新しましたので、のぞきに来ていただけると幸いです (2016年8月7日 1時) (
レス) id: 10871da05b (このIDを非表示/違反報告)
ユーラシア - とってもとってもとってもワクワクします。私毎回待ちきれないです。頑張ってください (2016年7月29日 20時) (レス) id: 9a340dd8ed (このIDを非表示/違反報告)
ちさ(プロフ) - まみさん» わ〜嬉しいです、ありがとうございます！そう言っていただけると、お話を書くのがさらに楽しくなりそうです♪ 少しずつ準備を進めて、できるだけ早く更新できるように頑張りますね (2016年7月25日 22時) (レス) id: c91b655369 (このIDを非表示/違反報告)
まみ - いつも見させていただいてます！とてもおもしろくて、はまってしまいました！続編楽しみにしています！ (2016年7月22日 23時) (レス) id: e125ca4219 (このIDを非表示/違反報告)
ちさ(プロフ) - ゆなひろまこまこさん» ありがとうございます。楽しんでいただけて良かったです。できるだけ早く更新できたらと思っていますので、またのぞきにきていただけると幸いです (2016年7月18日 23時) (レス) id: c91b655369 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちさ
| 作成日時：2016年4月11日 1時
