晴れない視界 4 (和) ページ39
智Side
帰宅してからの和は、ソファーに座って目をつぶったまま動かない。
声をかけると返事をするから寝ているわけではないようだけど…
智「少しだけでも食べる？本当にいらないの？」
和「んー…いい」
僕らが冷やし中華を食べている間も、ただ座っているだけ。
そのうちに今度はソファーの肘掛けを枕にして寝転がってしまったから、その様子が気になって一気に残りの麺を食べ終え和の顔を覗きに行った。
智「どした？調子悪い？」
左目は眼帯をしているから見えないけど、わずかに開けられた右目には力がなくとても怠そう。
まだ目は痛いはずだし、疲れているだろうから元気がないのは当然かもしれないけど、でも…
智「そういえば、和がすごい汗かいてるって言ってなかったっけ？」
雅「うん、珍しいくらい汗だくだった」
智「そのあと水分補給させた？」
潤「あっ…」
智「いや、いいんだよ、気づかなかったのは僕も同じだから」
2人のところにいって聞いてみたら同時に表情が曇ったから、すぐに言葉を付け足した。
別に怒ってるわけでも責めているわけでもないからさ。
あんな状況じゃ、そこまで気が回らないのも仕方がないから。
智「ジュース、飲める？」
和「いい…」
智「さっきからそれしか言ってくれないね」
僕の視線から逃げるように顔を背けてしまったから少し笑いながら言ってみたら、「あ」と一文字だけ返ってきた。
確かに『ん』と『いい』以外の言葉だけども(笑)
智「首の動きで教えてくれてもいいから。頭痛酷い？」
さっきからずっと、頭を掴むようにおでこの上に手が乗せられたまま。
部屋に行かずにリビングにいたいと言ったのも、階段を登って移動するのが辛かったからなのかもしれないね。
智「頭痛い？
…怠い？
…動けない？」
一つずつゆっくり聞いてみたら、その度にわずかに首を縦に振って答えてくれた。
検査で頭に異常がないのも確認してもらったから、たぶん軽い熱中症だと思うんだけど…
今日暑かったし、汗もたくさんかいたみたいだから。
智「おんぶしていこうか？」
和「…俺重いから」
雅「じゃあ俺が抱っこしていこうか？」
ご飯を食べ終わった雅紀がひょっこり顔を出して、頭を押さえ続けている手に自分の手をそっと重ねてくれた。
「痛いの？」って、和の手をどかして乱れた前髪を指で撫でるように整えてあげながら心配そうな顔。
僕の背中じゃ頼りないから、雅紀に部屋まで連れて行ってもらおうか。
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ちさ(プロフ) - ユーラシアさん» 楽しんでいただけているようでとても嬉しいです。すごく力になりました！遅くなってしまいましたがPart17に移行して新しいお話も更新しましたので、のぞきに来ていただけると幸いです (2016年8月7日 1時) (
レス) id: 10871da05b (このIDを非表示/違反報告)
ユーラシア - とってもとってもとってもワクワクします。私毎回待ちきれないです。頑張ってください (2016年7月29日 20時) (レス) id: 9a340dd8ed (このIDを非表示/違反報告)
ちさ(プロフ) - まみさん» わ〜嬉しいです、ありがとうございます！そう言っていただけると、お話を書くのがさらに楽しくなりそうです♪ 少しずつ準備を進めて、できるだけ早く更新できるように頑張りますね (2016年7月25日 22時) (レス) id: c91b655369 (このIDを非表示/違反報告)
まみ - いつも見させていただいてます！とてもおもしろくて、はまってしまいました！続編楽しみにしています！ (2016年7月22日 23時) (レス) id: e125ca4219 (このIDを非表示/違反報告)
ちさ(プロフ) - ゆなひろまこまこさん» ありがとうございます。楽しんでいただけて良かったです。できるだけ早く更新できたらと思っていますので、またのぞきにきていただけると幸いです (2016年7月18日 23時) (レス) id: c91b655369 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちさ
| 作成日時：2016年4月11日 1時
