晴れない視界 3 (和) ページ38
和也Side
同点、最終回、2アウト、ランナー二塁。
ドキドキの試合の結果は、最後のバッターがショートの頭を越すヒットを打って5対4のさよなら勝ちだった。
大盛り上がりで、チームの観客は全員立ち上がって飛び跳ねて喜んで…
あぁこの感じ良いなぁ…って、なんだかすごく幸せな気持ちになった。
見に来てよかったなって。
プロ野球もいいけど、少年野球にしかない楽しさもある。
エラーしないかな、ちゃんとバントできるかな…って、ちょっとヒヤヒヤするところとか(笑)
暑い中の試合だったけど、倒れる子もいなかったし、みんな最後まで元気だったしね。
試合の結果もよかったし、本当にきて正解だった。
俺が負傷したのはそのあとのこと。
帰る前に友人と話していたら「危ない！」って声が聞こえて、振り向いた瞬間に避ける暇もなく…
「兄貴が待ってるから」って、周りが心配する中なんでもないフリをしてすぐに別れてきたけど…
相当のエネルギーを使って痛みを顔に出さないようにしていたせいで、車に戻る前に限界がきてしまった。
なんとか物陰まで移動してしゃがみ込んで、乱れていた呼吸を整えながら雅にぃに電話。
「うぅ…」と声が出そうになるのに耐えていると、全身がカーッと熱くなって一気に汗が噴き出してきた。
痛くて涙のでる目をゆっくりゆっくり開いてみたら、視界がぼやけていてよく見えない。
結構な衝撃だったし、その時は一時的に霞んでいるだけだって…
そう思って心を落ち着けていたけど、車に戻ってからも一向に治る様子はない。
もしもこのまま…って思うと、怖くなって言葉を発する余裕もなかった。
雅「どうだった！？検査結果は？」
智「おまたせ。視力はしばらくすれば戻るから大丈夫だって」
病院に駆けつけてくれた智にぃと一緒に、診察室で先生の話を聞いてきた。
目が見えなくなったと知って俺以上に慌てていた雅にぃも、心配そうな顔をしていた潤も、ようやく安心してくれたみたい。
智「目の中で出血してるんだって。しばらくは家で安静だね」
雅「そっか…治るならよかった。ね、和」
和「うん…」
失明したら…って、最悪の結果も頭をよぎっていたから。
ただまだ完全に安心はできない。
後遺症が残る可能性がある限りは…
智「さ、薬もらって家に帰ろう。お昼ご飯食べた？」
雅「あ、食べてない！すっかり忘れてた」
潤「和にぃもまだでしょ？何か買って帰るか」
ご飯…
俺はあんまりお腹空いてないな…
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ちさ(プロフ) - ユーラシアさん» 楽しんでいただけているようでとても嬉しいです。すごく力になりました！遅くなってしまいましたがPart17に移行して新しいお話も更新しましたので、のぞきに来ていただけると幸いです (2016年8月7日 1時) (
レス) id: 10871da05b (このIDを非表示/違反報告)
ユーラシア - とってもとってもとってもワクワクします。私毎回待ちきれないです。頑張ってください (2016年7月29日 20時) (レス) id: 9a340dd8ed (このIDを非表示/違反報告)
ちさ(プロフ) - まみさん» わ〜嬉しいです、ありがとうございます！そう言っていただけると、お話を書くのがさらに楽しくなりそうです♪ 少しずつ準備を進めて、できるだけ早く更新できるように頑張りますね (2016年7月25日 22時) (レス) id: c91b655369 (このIDを非表示/違反報告)
まみ - いつも見させていただいてます！とてもおもしろくて、はまってしまいました！続編楽しみにしています！ (2016年7月22日 23時) (レス) id: e125ca4219 (このIDを非表示/違反報告)
ちさ(プロフ) - ゆなひろまこまこさん» ありがとうございます。楽しんでいただけて良かったです。できるだけ早く更新できたらと思っていますので、またのぞきにきていただけると幸いです (2016年7月18日 23時) (レス) id: c91b655369 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちさ
| 作成日時：2016年4月11日 1時
