小さな命と大きな成長 1 ページ21
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右手にはキャベツと玉ねぎ、それからパンとオレンジ。
左手にはひき肉や卵と一緒に、財布と携帯を入れたバッグも。
今晩使う食材が入った袋を両手に、身体を押し戻そうとする力に負けないよう一歩ずつ、恐る恐る足を踏み出していた。
こんなときに向かい風なんてついてない。
普段近所のスーパーに行く時に使う自転車は、乗らずに家に置いてきた。
今日はふらつくほど強い風が吹いていたから…
危ないかなと思って歩いてきたのに、徒歩は徒歩で大変だった。
「お、いたいた。A〜…ん！？」
あともう少しで家に着く…
そんな時に少し離れた所から名前を呼ばれた。
目がぼやけていて顔をはっきりと見ることができない。
潤「うわ…顔真っ青じゃんか…」
目の前まで来てくれて、やっとわかった。
丸い目で驚いた顔をして、走ってきてくれたのか前髪も呼吸も少し乱れ気味。
潤「歩き方おかしかったろ…足どうした？」
「あし…は…」
潤「なに？転んだ？」
「んっ…っ…」
潤「えっ、あ、ごめん。ごめんね？
別に怒ってるわけじゃないんだよ？」
どうしたのかと聞かれるだけで、溜め込んでいた痛みと不安が溢れてきて泣いてしまいそうだった。
こんなところで泣くなんて…
そんなの嫌だからなんとか気持ちを持ち直そうとするけど、足元からズキンズキンと身体を突き抜けてくる痛みがそれをさせてくれない。
フラフラとする身体と、激痛が走る足…
一度立ち止まってしまったら動けない…
痛いとわかっている足を再び前に出す勇気は、もうなかった。
潤「背中乗りな。周りに誰もいないの見てきたから」
「いっ、いい…大丈夫…歩ける」
潤「うん？ごめんね、聞こえなかった。
ほら、早くしないと人来ちゃうよ。急げ〜」
私の目の前にしゃがみ込んで向けた背中を手で何度も叩きながら、明るくおちゃらけた様子で言ってくれた。
聞こえなかったふりまでして…優しい気遣い。
「…重いよ？」
潤「そう？よいしょっ…お、余裕じゃ〜ん。軽い軽い」
強がってはみたけど一人ではこの場から動けそうになくて、大きな背中に手を伸ばして身体を寄せた。
たくさんの荷物を潤にぃは片手だけで持ち上げて、そのうえ私まで軽々と背負ってくれて…
その男らしい力強さに安心する。
潤「ちゃんと引っ付いててよ？」
「うん…」
早く歩いているのに揺れが少ないことも優しさなんだって気づいたら、また泣きそうになって声と涙を隠すように肩に顔を埋めた。
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ちさ(プロフ) - ユーラシアさん» 楽しんでいただけているようでとても嬉しいです。すごく力になりました！遅くなってしまいましたがPart17に移行して新しいお話も更新しましたので、のぞきに来ていただけると幸いです (2016年8月7日 1時) (
レス) id: 10871da05b (このIDを非表示/違反報告)
ユーラシア - とってもとってもとってもワクワクします。私毎回待ちきれないです。頑張ってください (2016年7月29日 20時) (レス) id: 9a340dd8ed (このIDを非表示/違反報告)
ちさ(プロフ) - まみさん» わ〜嬉しいです、ありがとうございます！そう言っていただけると、お話を書くのがさらに楽しくなりそうです♪ 少しずつ準備を進めて、できるだけ早く更新できるように頑張りますね (2016年7月25日 22時) (レス) id: c91b655369 (このIDを非表示/違反報告)
まみ - いつも見させていただいてます！とてもおもしろくて、はまってしまいました！続編楽しみにしています！ (2016年7月22日 23時) (レス) id: e125ca4219 (このIDを非表示/違反報告)
ちさ(プロフ) - ゆなひろまこまこさん» ありがとうございます。楽しんでいただけて良かったです。できるだけ早く更新できたらと思っていますので、またのぞきにきていただけると幸いです (2016年7月18日 23時) (レス) id: c91b655369 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちさ
| 作成日時：2016年4月11日 1時
