鼻からたらり 3 (翔) ページ3
翔Side
俺に突進してきた反動で床に倒れこんだ男の子に、俺も新人ちゃんも驚きのあまり動けない。
そんな状態でいたら、すぐに他の先生が焦った様子で駆け寄ってきた。
結心の入園当初からいたベテランの先生が2人。
翔「ワタシは大丈夫ですから、他の子どもたちを…ん？」
男の子の大きな声で視線を集めてしまったのか、周りの多くの人が目撃してしまっていた。
心配してくれるのはありがたいけど、先生は俺よりもザワザワし始めた周りの子どもたちの方へ…
そう言おうと思ったところで、言葉が止まった。
鼻から生暖かいものがツーっと垂れてきて、それに触れた指にも赤い液体がつく。
翔「すぐ止まりますから。大丈夫です」
鼻血を出した俺に先生方はさらに慌ててしまって、「すみません！」「ティッシュを！」と頭を下げたり走り回ったりと忙しない。
翔「こうしてると〜…ほーら、もう止まった」
鼻を指でつまみながら少しのあいだ下を向き止血をして、もう血が垂れてこないことを見せてあげた。
泣きそうな顔をしていた結心と、それから心配性な先生方にもね(笑)
ちょっと圧迫していた時間が短すぎたから完全には止まっていないかもしれないけど、そんなことは後でなんとかすればいい。
翔「大丈夫？どこか痛いかな」
先生からどうして蹴ったのかと聞かれている男の子は、「しらない！わかんない！」と仏頂面で突っぱねている。
立ち上がらせようとする先生にも抵抗しているようだけど…
座ったまま動こうとしないのは、意地を張っていること以外にも理由がありそうだ。
翔「ちょっと足触ってもいい？」
『だめ！いたくない！』
いやいや〜、今にも泣きそうな顔して強がるなって。
あ、そういえば…
どうしたものかと思っていたとき、ふと男の子が叫んでいた言葉を思い出した。
それがどんな思いで発せられたものなのか、俺の予想通りならこれで…
翔「先生、お仕事できちゃったんだって。
行っちゃったけどいい？」
『いいにきまってる…』
翔「そっか。帰ってくるまで少し時間かかるって」
ベテラン先生に俺の考えを耳打ちして、新人ちゃんにこの場を離れてもらうようお願いした。
君は先生が泣いているところを見て、守らなきゃって思ったんだろ？
まぁそれは先生が自分で転んだのであって、俺が虐めたせいではないんだけど(笑)
自分が守ろうとした人に、痛くて泣いている姿なんて見られたくはないよな。
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ちさ(プロフ) - ユーラシアさん» 楽しんでいただけているようでとても嬉しいです。すごく力になりました！遅くなってしまいましたがPart17に移行して新しいお話も更新しましたので、のぞきに来ていただけると幸いです (2016年8月7日 1時) (
レス) id: 10871da05b (このIDを非表示/違反報告)
ユーラシア - とってもとってもとってもワクワクします。私毎回待ちきれないです。頑張ってください (2016年7月29日 20時) (レス) id: 9a340dd8ed (このIDを非表示/違反報告)
ちさ(プロフ) - まみさん» わ〜嬉しいです、ありがとうございます！そう言っていただけると、お話を書くのがさらに楽しくなりそうです♪ 少しずつ準備を進めて、できるだけ早く更新できるように頑張りますね (2016年7月25日 22時) (レス) id: c91b655369 (このIDを非表示/違反報告)
まみ - いつも見させていただいてます！とてもおもしろくて、はまってしまいました！続編楽しみにしています！ (2016年7月22日 23時) (レス) id: e125ca4219 (このIDを非表示/違反報告)
ちさ(プロフ) - ゆなひろまこまこさん» ありがとうございます。楽しんでいただけて良かったです。できるだけ早く更新できたらと思っていますので、またのぞきにきていただけると幸いです (2016年7月18日 23時) (レス) id: c91b655369 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちさ
| 作成日時：2016年4月11日 1時
